「自己PRが苦手」という悩みへの菅首相の回答は…
現職の官房長官の人生相談として話題を呼んでいたビジネス誌「プレジデント」の「菅義偉の戦略的人生相談」である。これを読むと菅首相のその時々の気持ちがもろに反映されていて面白いのだ。
今読んでもハッとするのは第4回の人生相談である。
「自己PRが苦手」という“お悩み”に対して菅氏はこう答えている。「アピール力などまったく不要」と。
“お答え”の冒頭も凄い。
《政治の世界ではアピール力が大事だと一般的には思われているかもしれません。実際、アピールに余念のない政治家はたくさんいます。しかしアピールばかりで結果を出さない政治家は、評価も信頼もされない。》
これって小池知事を念頭に置いているとしか思えない。しかもこの号の発売は昨年6月だった。東京都知事選が間近であり、小池氏のコロナ対策で国と都がやりあっていた頃だ。自分の連載でわざわざ小池ネタを投入するほど過敏になっているようにみえる。
菅氏が官房長官時代には公文書を廃棄したことが大問題となったが、「菅義偉の戦略的人生相談」は当時の菅氏の気持ちや状況がわかる貴重な公文書なのです。私、大事に保存しています。
菅首相「いつまでもあると思うな親と金」
ついでに今読むと第2回の相談も味わい深い。というのも「40代ニート」を名乗る相談者が「父の遺産で食いつないでいる」と菅氏に相談しているのだ。「母は働けと言う」と。
菅氏の答えはこれ。
「いつまでもあると思うな親と金」
他人の息子には厳しい。今読むと泣いちゃう。
それにしてもこの人生相談はすごい。「菅義偉の戦略的人生相談」というが全然戦略的じゃない! やはり「公文書」は大事である。
菅首相は小池知事に振り回されてますが、過去の人生相談にも振り回されてます。