『麒麟がくる』は終わりましたがお気づきですか。「小池がくる」がもう始まっています。

「政局の鬼」小池都知事が折った森喜朗の心

 ここ最近の新聞で見かけた最高のフレーズをご紹介します。それは小池百合子・東京都知事を評したもの。

「政局の鬼」。

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 せ、せいきょくのおに!

小池百合子都知事 ©文藝春秋

 これは“あるベテラン自民党議員”のコメントである。森喜朗元東京オリパラ組織委員長の女性蔑視発言に批判が高まる中、森会長も出席する予定だったIOCとの4者会談に小池知事が出席しないと表明した際のコメントだ。ではフルバージョンでどうぞ。

小池氏はずるい。政局の鬼だ。森氏の心を折りにきた」(産経新聞・2月12日)

 なんかすごい。『鬼滅の刃』みたい。

隙があればイメージ戦略を仕掛る「鬼」

 この流れで思い出したのは東京アラートである。コロナに警戒を呼びかけるために都庁やレインボーブリッジを赤くライトアップしたアレ。「都庁が赤になるだけ」「何の意味もない」という都民の声も(東京新聞2020年6月27日)。

 そんな意見に対して小池知事は「話題になったことが意義」と答えた(昨年6月11日の知事会見)。

 話題になることが大事。小池政治とは東京アラートそのものといえまいか。

パラリンピック関連イベントでは「新しい地図」とも写真に納まる ©文藝春秋

 今年は7月に都議選があり、秋までに衆院選がある。つまり「小池アラート」の季節である。政局の鬼は隙があればイメージ戦略を仕掛けてくる。

 すでに振り回されているのが菅首相ではないか。首相は3月3日に首都圏の緊急事態宣言を延長する「思い」を突然に表明した。急に「思い」なんか語り始めてどうしたんだと思ったら理由がわかった。政府関係者や与党内の声が翌日紙面に載っていた。

『小池リスク』(日経新聞)
『小池潰し』(毎日新聞)
・「小池知事に『やられた感じ』を出さないためだ。ゲームになっている」(朝日新聞)