「文藝春秋」4月号に「ラストワンマイル問題」という、米国の一般市民が直面しているワクチン予約時の問題を解説した。ワクチン供給は地域の中核拠点まで届けるのは簡単だが、接種までの「最後の1マイル」が難しい事情は今も変わらない。今回はその後、2週間たった現状を報告したい。
良いニュースとしては、「1回接種、通常冷蔵」のジョンソン&ジョンソン社のワクチンが緊急承認を受け、メルクという他の大手製薬会社も製造協力するので、今後1~2カ月すればワクチン供給量は急増する可能性が出てきた。
いつ、どこで、どのワクチンを打つかわからない
一方、ワクチン接種の予約状況は上記のレポートに書いた状況が続いているものの、私自身の場合は少しばかり前進した。
3月9日に昨年は見送られた定期検診を受けた際、主治医が説明するには、高齢顧客については7日から、同病院グループのワクチン接種予約システムに接種希望者の名前を登録できるようになったという。早速、私と妻の名前を登録してもらった。しかし、いつになるのか、何処で接種するのか(クリニックか中央の病院か)、どの製薬会社のものになるかなどはまったくわからず、また約束もできないとのこと。
ジョンソン&ジョンソンのものであれば、超低温冷蔵が不要なので、論理的にはインフルエンザのワクチン同様にクリニックで受けられるはず。クリニック網は広く展開しており、顧客の既往症、処方薬など日頃の医療データをすべて把握している訳だから、接種に当たって病院側も問診等の手間はかなり省けるはずだ。