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「マスク不要」を打ち出す州も

 また「2回接種」ワクチンの2度目の不安に関しては、この病院グル-プでは、1人当たり2回分確保してから予約を取るので無用だといわれた。これは州、市の仮設の大型接種拠点や薬局とは大きく異なり、「さすが病院。責任感大」と思えた。私は、あと1~2カ月すれば、行きつけのクリニックで、安心して接種を受けられるのではないかと期待を持っている。

2回接種が難題だが…… ©共同通信社

 ここまでは私が住む東部ニュージャージー州での話だ。米国全土に安心感が広がっているわけではない。共和党知事の州では、「マスク不要、レストランの人数制限解除」など拙速すぎる規制緩和方針を打ち出し不安が募る。何故なら感染者数は下げ止まり、英、南ア、ブラジル発ならびに米国内で発生した変異株による感染比率が急上昇中だからだ。地域によっては新規感染の3~4割になってきた。これが5割を超えると急速に広がり「第4波」となりかねない。

 ぶり返しのたびに感染者数は前回を大きく上回る。既存ワクチンの変異種に対する効果は明らかに低く、また有効期間はいまのところ「6カ月は効くがその先は不明」というのが現実だ。ワクチンの普及が先か、変異株の猛威が先か、私自身は楽観していない。

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出典:「文藝春秋」4月号

 神谷秀樹氏の「『ラスト1マイル問題』に学べ」は「文藝春秋」4月号および「文藝春秋 電子版」に掲載されています。

文藝春秋

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米国の失敗「ラスト1マイル問題」に学べ