上司と部下として共に勤務していたが、元来「女好き」との評判が絶えなかったSは、何かとMを気に掛けるようになり、2人はいつしか男女の仲になっていったという。
Sは妻がいる身ながらも、Mとの交際に夢中になっていった。そして、「離婚したら一緒になる」とMと結婚の約束まで交わすようになっていった。
道ならぬ恋に身をやつした2人だったが、Sが県警本部に異動になるとその関係に変化が生じる。
思いの温度差で自ら110番通報する事態に
「本部勤めの激務の影響なのか、他の女性に目移りしたからなのか。いつしかMとの関係は疎遠になっていったようです」(先の職員)
話を2020年10月に戻そう。
複数の関係者によると、Mは当時、病気による休職中の身だった。「病休」の詳細な理由は不明だが、Sとの関係が原因だとの見方が強い。
Mが思いを募らせる一方で、SはMとは別の女性職員と深い仲になっていたのだ。
Sがかつての愛人と距離を取り始めた一方、Mは結婚の約束まで交わしたSへの思いを一方的に募らせていった。
両者の思いに温度差ができはじめたことが“事件”の引き金となった。
恋い焦がれる思いを抑えきれなくなったMは行動をエスカレートさせていく。
新たな愛人と一緒に自宅に帰り着いたSを待ち構えていたのが、ストーカー化したMだった。付近に身を潜めていたMの突撃を受けたSは、必死にオートロック式の自宅マンションのドア内へと逃げ込んだ。
なんとか難を逃れたと思ったSだったが、Mの気持ちは収まることはなかった。
「Mは、ドアを蹴破る勢いで叫び、なんと自ら110番通報する事態となったのです。すぐに所轄の地域課員が臨場する騒ぎとなってしまった。事情を聞かれたSとMは憔悴しきった様子だったということです」(先の職員)
対処した所轄署では翌日から一斉に噂が広まり始めた。同僚警察官が介在した醜聞は隠しきれず、「処分やむなし」という状況に陥っていった。