妻子がありながら露骨にMを口説いた警察署幹部も
県警関係者はこう続ける。
「処分に関わった監察課幹部も含め、名前の挙がった幹部たちは一切処分を受けませんでした。ある警察署幹部は監察課でMと勤務が重なったとき、妻子がありながら露骨にMを口説いていて、当時の同僚たちはみんな知っているはずです。別の幹部は離島署勤務時にMを奪い合うようなことまでしていました。また、別の幹部は妻にMとの不倫がばれ、署に奥さんが乗り込んできたこともあります。いまなら考えられません」
Mを取り巻く6人の警視。組織内での入り組んだ男女関係は、県警内では、いつ弾けるともしれない爆弾のような危うさをはらみ、徐々に波紋を広げていった。
ある警視はすねに傷を持っているせいか、Mの人事をことさらに気にしているという。
前出の職員は、「Mの復職した際の人事配置にも介入しているようです。自分との関係をばらされず、かつMの機嫌を損ねないよう気をつけているのでしょう。人事権まで使って、もっとやるべき仕事はあるでしょうに」とため息をつく。
MはSの自宅に特攻を決め、騒ぎを覚悟で自ら110番通報した強者だ。まさに、この警視たちにとって、下手すれば自分たちをも巻き込んで爆発する地雷のような存在となっているようなのだ。
「死神」と呼ばれる女・Mが復職する日
ある若手警察官はこう嘆息する。
「Mは、ほかの女性警察官から『死神』と呼ばれているといいます。関わった男性警察官はSのように処分されたり、閑職に追いやられたりするからです。とはいえ問題なのは、不貞行為を働いたらどうなるかは分かった上で不倫に手を染めた幹部連中です。やったことについて、個人的には気にしませんが、部下への指導はせめて自分の下半身を制御してからにしてほしいですね」
関係者によると、Sは病気を理由に休職しているという。Mも現在は県警本部警務部内に籍を置くものの、休職を続けており、辞職する考えはないという。
Mが復職した際、どう振る舞うのか――。どこかに暴露しないか――。6人の警視たちの気の休まらない日々は、いつかあるとされるMの復職とともに始まりそうだ。