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同様の事例は北海道警でも

 県警内部でも大きな問題になった不倫騒動だが、同様の事例は全国でも相次いでいる。

 2018年には、北海道警で20代の女性巡査が複数の男性警察官と不倫関係や肉体関係を持っていたとして、少なくとも7人が懲戒処分を受けた。

「この道警の集団不倫発覚では、居酒屋での痴話げんかを目撃した店員が110番通報した警察沙汰が端緒だった。その後も、2019年には愛知県警で既婚者同士のW不倫も明らかとなった。この不倫は双方が告訴して刑事、民事裁判に発展するなど、まさに泥沼の展開となった。2020年には兵庫県警で交番勤務の男女の警察官が勤務中に性行為に及んでいた事案も発生している。この事案も男性警察官は妻子ある身の不倫だった」(全国紙社会部記者)

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 一般的に警察は不倫に厳しい組織とされる。

 警察官の懲戒処分指針には「不適切な異性交際等の不健全な生活態度をとること」が定められている。警察組織で不倫が御法度とされる背景には不倫から嘘が始まり、大きな不祥事に発展してしまうという認識がある。一般市民と比較しても高いモラル意識が警察組織には求められているのだ。

(※写真はイメージ)©️iStock.com

Mと関係を持った男性警察官7名のリスト

 まさに「警察沙汰」の騒動となったMとSの不倫の顛末だったが、事態はこの件だけにとどまらなかった。

「実は、Mは過去にS以外の警視クラス複数人と肉体関係や不倫関係にあったのです。関係を持った警視の中には『自分のことも監察に話したのではないか』と肝を冷やしている人も複数いるようです」(県警関係者)

 筆者は、非公式に作成されたMと関係を持った男性警察官の氏名が記されたリストを入手した。

 そこには退職者1人を含む7人の男性警察官の名前が記されていた。6人は県警本部警務部や生活安全部、所轄署の副署長、刑事官などを務める現役警視だ。

 さらに、そのリストの中には、ある監察課幹部の名前もあったのだが、そこにはさらに衝撃的な事実があったという。

「実は、その幹部自身がMの処分に関わっていたというのです。過去の所轄署勤務時代にMと不倫関係を持った中でどういう心境で懲戒処分を科したのか。県警内では笑い話になっているようです」(同前)

 渦中の幹部の胸中には、自身の起こした過去のあやまちもよぎったに違いない。