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ヤクルト広報・三輪正義が推す“今年絶対やってくれなきゃ困る”5人の男

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/03/26

 皆さん、こんにちは。東京ヤクルトスワローズ広報2年目の三輪正義です。今日3月26日、日本プロ野球は開幕します。昨年同様、いろいろと制限が多く、ファンの皆様には、感染対策などご不便をおかけすることとなりますが、スワローズは選手・スタッフ一同、万全の準備で今日を迎えることができました。どうか一年間ご声燕をおねがいします。

各チームの新戦力の分析に余念のない筆者

 さて、「文春野球コラムペナントレース」も今日開幕を迎えます。ありがたいことに、昨年に引き続き、今シーズンも“選手”としてコラムのグラウンドに立たせてもらうことになりました。昨年は、新人ながら「首位打者」と「最多勝」のタイトルを獲得できたのは、ひとえに読んでHITを押してくださった皆さんのおかげです。今年は、昨年果たせなかった「日本一」を獲るべく、筆を執りたいと思います。

 そのための「自主トレ」は万全です。オフの間は球団公式アプリの企画『選手に聞いてミルミル』の充実、ファン感謝デーでは後輩たちにイジられながらの活躍。そして、つば九郎先輩とのコンビの絆を強固にするがための『超・つば九郎タイムス(フジテレビONE)』、『つば九郎テレビショッピング(球団公式サイト)』収録など、多忙な毎日。さらにはラジオNIKKEIさんからお声がかかって、つば九郎とラジオで筆談トークまでしました。

“喋らない鳥”をラジオ番組でどう引き立てるか

 ラジオという世界でいかに“喋らない鳥”を引き立てるか。番組のアナウンサーさんがつば九郎に質問し、僕はつば九郎がスケッチブックに文字を書く間、合いの手を入れ、それを代読しつつ、つば九郎のボケにツッコミも入れる。YouTubeやテレビと違ってリスナーさんに画が見えないなか、現場の様子をどう表現し、伝えられるか、必死に考えながら収録に臨みました。

 アナウンサーさんが「言えないことも言えないこんな世の中じゃぁねぇ」と振ってくれたとき、つば九郎はスケッチブックに「ぽ」と書き始めていたのに「それポイズンですね!」と僕が見えていないドヤ顔で、先に言ってしまうという失敗もありましたが、僕にとっては新たな表現の方法を模索できてとても楽しかったんです。僕の姿も、逆に僕も見えないリスナーさんがどう聞いてくれているかを想像しながらマイクの前でしゃべる。テレビで活躍中の芸人さんやタレントさんが、ラジオをやりたがる理由が少しわかった気がします。

 そうそう、昨年末に行われた「NPB12球団ジュニアトーナメント」という小学生の大会のコーチを務め、ヤクルトスワローズJr.の大会2連覇に貢献できたことも嬉しいことでした。先日、神宮球場での優勝報告会のときにユニフォームを来て選手たちと整列していると、高津臣吾監督からは「お前選手だったの?」とツッコミが。「監督、僕がこのなかに入ったらスーパースターですよ!」と返しましたが、実際、身長168cmの僕を超える、体格の良い小学生たちに囲まれ、夏から大晦日の12月31日まで一緒に汗や、目から汗を流せたことは素晴らしい思い出です。小学生たちに自分が培った技術や考え方を教えることがこんなに難しいことか、と愕然とするときもありましたが、自分の知識や経験をフル動員して、真剣に選手たちと向き合えたことは、僕の野球人生の糧になりました。

“今年絶対やってくれなきゃ困る”5人の男

 さて、本家のヤクルトスワローズは2年連続最下位という屈辱を胸に、新たなシーズンに臨みます。山田哲人新キャプテン、開幕投手の小川泰弘、不動の4番の村上宗隆、そして5番を打つ新加入の内川聖一さん。即戦力となりうる新人選手も入ってきて、僕は期待でいっぱいです。

 そこで、スワローズ浮上のために“今年絶対やってくれなきゃ困る”選手を新人、若手、中堅、ベテラン、計5人上げようと思います。

 まずは新人の山野太一。大学時代は公式戦70イニング連続無失点を達成した、左腕投手。オープン戦でも結果を出し、先発6番手の座を摑もうとしています。彼のいいところはなんと言っても「地元・山口県出身」。

 僕とは不思議な縁があって、入団会見のとき山野のお父様から、山野の少年野球時代の監督が、自分が社会人で軟式野球をやっていたときの監督さんだと聞かされ驚きました。さらには、彼が’16年夏、山口・高川学園のエースとして甲子園に出場したとき、1回戦の相手は履正社の寺島成輝。青山の骨董通りでクルマを止め、車載テレビで高川学園を応援しながらも、「これが寺島か」と興味深く見ていたことを思い出しました。その2人が4年後チームメイトになるなんて、不思議な縁ですよね。

 若手投手は4年目の金久保優斗。彼とは2年間ファームで一緒に汗を流した仲です。当時はあまり制球が良くなく、守っている後ろから見ても、四球を怖がり萎縮したようなピッチングをしていて、声を掛けたのを覚えています。「抑えたいと思うのは当然だし、打たれるのはもっと嫌だろう。でも、まだ2年目だから、相手のバッターどうこうよりも、まずは自分との勝負に勝てるように」と優しく言いました。

 するとそのあとは気持ちを込めて、丁寧に投げようとしてくれたのを覚えています。去年はプロ初登板、そして初先発をし、5回を無安打に抑えるなど、首脳陣の期待を感じます。今年は相手としっかり勝負して、初勝利をあげてくれるでしょう。