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ヤクルト広報・三輪正義が推す“今年絶対やってくれなきゃ困る”5人の男

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/03/26
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とんでもない受け答えをする「若き大砲」

 若手の打者では、3年目の濱田太貴。彼とも1年間ですが一緒にやりました。先日『選手に聞いてミルミル』で「お国自慢」というお題で話を聞いたのですが、皆さんご存知、今浪隆博と同郷の福岡県・北九州市のネタは一切話さず、とんでもない受け答えをした広報泣かせの可愛い後輩です(こちらは後日のアップをお楽しみに)。

 オープン戦はホームラン4本とその名の通り“大器”の片鱗を見せている彼ですが、入った当初はまったくバットに当たりませんでした。ちょっと気持ちに揺れが見えたので「俺には絶対マネできないような、フルスイングできるのは才能なんだよ」と励ましました。「でもね、今10割で振っているのを7~8割の力でスイングができたらすごくない?」とも。彼はどう受け取ったかはわかりませんが、その後バットに当たりヒットが出るように。そうしたら気持ちにも余裕ができたのか、長打も出るようになりました。今年1軍で試合に出続けるには、守備力の向上も必要だと思っています。山田哲人だって守備を頑張ったから、今の地位があるんですから。

レギュラーを摑まなくてはいけない中堅

 さて、一番頑張ってもらわなくてはいけない中堅は、8年目の西浦直亨。’18年は138試合に出てレギュラーを摑みかけましたが、’19年はケガ、昨年はショートでの出場が減り、「ショートのレギュラー」という位置にまだ至っていない。西浦とは同じ「久保田スラッガー」製の用具を使っていたこともあって「自主トレのテーマをどうたてるべきか」など、よく話をしましたが、ちょっとほわっとした雰囲気がありつつも、芯の強い選手です。昨年は不慮のケガはあったけど、体はもともと強い選手。オープン戦でも満塁ホームランを打ちましたが、あのパンチ力は驚異です。彼が下位打線に座れば、これほど嫌な打線はないでしょう。

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謙虚そして向上心の塊。19年目のあの男

 ベテランはみなさんは誰だかわかってますよね、19年目の坂口智隆です。『聞いてミルミル』最多出演で、僕の唯一の友達は、ああ見えて向上心の塊です。実は’16年にオリックスから移籍してくるまでまったく面識の無かった男ですが、当時すでに1000本近くヒットを打ってるのにもかかわらず、60本にも満たなかった僕に「これどう?」って打撃のアドバイスを求めてきました。もちろん青木さんや内川さんにもそういったことは聞いているだろうけど、野球に対して、謙虚で一途な姿は本当に尊敬できるんです。

坂口智隆 ©文藝春秋

 去年114試合に出ましたが、彼にとっては’19年のケガの“リハビリ”だったようなもの。去年1年間できたんだから今年はもっと打てるはずです。連盟表彰の1500試合出場まであと4試合、そこに「首位打者」が加わります。これは決定事項なんです。

 さぁ、みなさん、神宮で配布される坂口の記念の下敷き、いやクリアファイルを今からお楽しみに!

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