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その物件を買う人、借りる人が「そんなことが起きた部屋なら住みたくない」とどこから思うのか、また、事前にその過去を知らされずに契約してしまった人が裁判を起こしたとき、「その物件を気持ち悪いと思うのは妥当である」と認められるのはどの段階からなのか……というのが、この問題の現実的な線引きになるのでしょう。
事故物件はどうやって数える?
このように、「一つの遺体が複数の事故物件を生む」ケースがある一方で、座間9人殺害事件のように、被害者は複数人いても事故物件は一つだけ(殺害現場になったアパートの一室)という、正反対の事例もあります。
つまり、事故物件の数と事件の数、そして犠牲者の数は必ずしもイコールではないのです。そこで私は、事故物件の数の単位を「テル」と名付けています。「大島てる」における炎のアイコンは「1つ」「2つ」、あるいは「1軒」「2軒」ではなく、「1テル」「2テル」と数えるのが正式な単位です。
1テルの被害者は1人の場合もあれば、2人、3人の場合もあります。また、1つの事件で不幸にも2テル、3テルの事故物件が生み出されてしまうこともあります。
このように、炎のアイコンはあくまで不動産の数であることを知ったうえで、これからの引っ越しシーズンなどに「大島てる」を活用していただけたらと思います。