「チームに必要とされた時がブレイクだと思います」
3月28日のHTB北海道テレビ「FFFFF(エフファイブ)」は選手15人に同じ質問をする「15voice」でした。お題は「ことしブレイクしそうな選手は誰?」。映像を観れば沖縄キャンプでの収録で、こういう時にブレイク候補は誰かと訊けば、「僕です」と答える選手が必ず何人かいるんです。票はばらけるだろうなと思いながら観ていたら、8人が野村佑希の名前を挙げるという結果になりました。何と過半数獲得です。複数得票だろうとは予想していましたが、まさかここまで彼ひとりに集中するとは思いませんでした。万波中正なんか、「僕であってほしいという願いはありますけど」と答えつつ、結局「一番現実的なのは野村かな」としちゃうんですからね。マンチュウ君の性格をしてこう言わしめるのはかなりのものですよ。松本剛は、何を当たり前のことを訊くのだと言わんばかりの顔で言ったものでした。ファンが同じ質問を受けても答えは彼に偏る筈だ、ということは内部の人間の答えは尚更そうなるに決まっているではないかと。
この結果を聞いた野村佑希本人は、今年の抱負として具体的な成績の数字よりも「いてもらわないといけない選手になる」という言い方で目標を掲げました。「チームに必要とされた時がブレイクだと思います」と。
だったら、もうとうに彼はチームから必要とされているし、なくてはならない存在になっていますよね。本人の定義で言えばブレイクしたということに……いや、うん、まだ早いな。このくらいじゃ全然まだまだ物足りない。
4月3日現在、打率.429はパ・リーグ3位です。いやそれは確かにまだ6試合しか出ていませんけれども、でもその6試合全部でヒット打ってるのはやっぱり大したものですよね。ね。もっとも得点圏打率となるとぐっと下がって.143。ここら辺が中村奨吾とか茂木栄五郎とか他の打率上位選手と大きく違うところです。今のところまだ1回しかタイムリーを打てていません。ここがもっと上がって、打率より高いくらいになるといいんだけどなあ。
え、気の早い高望み? でも「棒ほど願って針ほど叶う」なんてことを言いますよね。期待は大きくしておくに越したことはありません。
そういえばうちの老父は、開幕カードを観ただけの時点でこんなことを言い出しておりました。
「セカンド周東、サード野村、ショート小深田!」
そういう侍ジャパンを観たいんだそうです。
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