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ワクチン接種後に発生した望ましくない事象
有害事象はワクチン接種後に発生した望ましくない事象で、その原因が科学的にワクチンと関連しておきるかどうかを問うものではありません。ワクチン接種後に起きた因果関係のはっきりしない有害事象も副反応として報告されてきました。専門家の中でもワクチン接種後に起きた出来事がワクチンと関連しているかどうかはっきりと区別することは難しく多くの場合は「因果関係は否定できない」と判定されます。こうした例も「副反応疑い」として報告されます。
その背景は種痘後の脳炎、DPT三種混合ワクチンの副反応などの訴訟に対して東京高等裁判所の二審で「ワクチン接種との因果関係について科学的な確固たる証拠がなくても時間的に高度の蓋然性があれば因果関係あり」との副反応の考え方が示されたことがあります。難しい日本語ですが「ワクチン接種後一定の期間(だいたい1か月)に起きたものは因果関係がはっきりしなくても副反応」ということです。この考え方は有害事象の考え方にあたります。
ワクチンは科学的な根拠が基本にあるのでワクチンに関連して起ると科学的に想定できる事象を副反応とするべきです。しかし、ヒトの反応は個々で異なる反応をしますから、みんなが同じような反応をするものではありません。その中で可能性を常に考えていく必要があり、現在の科学では解決できなくても将来解決できるかもしれません。