感染症やワクチンに関心が高い今こそ、ウイルス、ワクチンについて知ってほしい。そんな思いから、『腐女医の医者道!』シリーズなどの著書がある消化器外科医のさーたりさんが、ウイルス専門の小児科医の中山哲夫さんと、感染症やウイルスについてマンガで解説した書籍が『感染症とワクチンについて専門家の父に聞いてみた』だ。実の親子でもある2人のやり取りを通じて学べる同書より、コロナウイルスの歴史を紹介する。
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副反応と有害事象
ワクチンは生体の持つ免疫応答を利用して感染を予防、重症化を予防する働きがあり、これがワクチンの主反応です。一方、副反応はワクチン接種後に発生した望ましくない反応で、科学的にワクチンに関連して起るものと想定できる事象のことを指します。主反応と副反応は別々の反応と思われますが、ワクチンはヒトの免疫反応を利用するもので、免疫とは病原体に対する防御機構です。防御機構は炎症反応としてあらわれます。したがって、主反応を別の視点から見ると熱が出たり、注射部位が腫れたり、痛かったりと副反応となります。