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闇業者撲滅には飼い主の責任も重要

 最近は、格安でペットの生体販売を行い、かわりにペットフードの購入や保険加入を強引にすすめるケースもあるという。こうした「ペットショップで半ば強制的に保険に加入させられた」という問題には、別の「闇」が潜んでいると細川弁護士は眉をひそめる。

 コロナでペット市場に参入した業者のなかには、儲けだけを考え、劣悪な環境で飼育販売したり、病弱なペットを平気で売りつけたりするケースも少なくない。

「2019年に動物愛護管理法が改正されました。ここ20年の間に動物虐待に対する処罰の厳格化が進んでいますが、それには、どんどん刑罰を重くしなければいけないほど動物虐待が目立つようになってきたという背景があります。

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 たとえば人気の高い犬を、劣悪な環境下で工場のように繁殖させ続けた結果、先天性の病気や遺伝子疾患を抱える子犬が市場に多く出回るようになった、などという痛ましい事件も起きています。新しくペットを購入する場合に、そのペットがどういう環境で生育したのかをきちんと調べる人が増えれば、悪質な業者は減っていくと思います。ぜひ、こうしたところにも意識を向けていただきたいです」

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 また、大事に飼育されてペットの平均寿命が延びたことで、ペットの介護問題も大きな課題となっている。

「ペットの飼い主になるためにライセンスは不要ですが、改正動物愛護管理法では飼い主への責任も一層強化されています。ペットは人間に癒しを与えてくれる存在ですが、生き物です。

 10万円のコロナ給付金でペットを購入した人も多かったと聞いていますが『小さくてかわいい』『いま、自分がつらいから癒されたい』という目先の判断だけでペットを飼うのではなく、ペットへの責任をしっかり果たせるかどうかをまず考えてほしいと思います」