ネットでのつぶやきが恐ろしい事態を招く恐怖
細川弁護士はこうしたトラブルに、「ネット加入の手軽さ」や「高揚感」をあげる。
「たとえば、スマホに新しいアプリを入れる場合などもそうですが、規約を全文読まないと次のステップに進めないようなしくみになっていても、実際には、ほとんど読まずにスクロールして契約できてしまう。ネットで加入できる保険にはこの危険性があります。
スマホで簡単に申込みができてしまうのは確かに便利ですが、『保険料が安い』『手続きが簡単』だけで加入すると、後悔することになりかねません。金融庁の免許もしくは登録のある保険会社なのか、保険内容はどうなっているのかなどを加入前にしっかりと確認することは契約者側の責任です」
また、ペットショップで犬や猫を買う際に同時にペット保険に加入する場合には、「流されないことが大事」だと細川弁護士はいう。
「高い品種だと何十万円もする犬や猫を迎える場合、嬉しさや高揚感が先走り、購入金額に比べたら格安のペット保険については、あまり深く考えずに加入してしまいがちです。保険で補填されない先天性の疾患などについて、冷静に確認してから加入することが重要です」
こうした「契約者の責任」を果たさず、「一方的に契約を更新拒否された」「保険料が支払われなかった」などと感情的に行動すると、とんでもない「事件」に発展するおそれもある指摘する。
「こういうことはあまりないと思いますが」と前置きしたうえで細川弁護士が教えてくれたのは、ハッシュタグのデマ拡散による危険性だ。
「たとえばペット保険の契約更新を拒否されたことで頭に血が上り、『悪徳保険会社』のような投稿をしたとします。それが何かのタイミングで広まり、会社の経営に大きな影響を与えたとする。その場合、悪意のある虚偽情報を拡散したとされ、信用毀損や損害賠償で保険会社が対応を検討するという事態を招く可能性もあります」
そこで細川弁護士がおすすめするのは、消費生活センターへの相談だ。
「保険の免責事項の未説明や、生体と保険の抱き合わせ販売などは、典型的な消費者被害のパターンです。まずはお近くの消費生活センターに相談に行くのがよいと思います。
また、各自治体には、無料で開催している法律相談窓口もあります。開催日は自治体によって異なりますが、お住まいの地域で調べてみるのもよいかもしれません」