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 5月。Aさんが給食当番の時だった。クラスでは給食当番は2人のペアでする。しかし、ペアの児童が学校を休んだ。Aさんは担任に「(ペアを)誰かにお願いしていいですか?」と聞いた。担任は「1人で運べると思ってん?」と笑い、担任は「もう遅いからいらん」ときつい言葉で言ったという。Aさんはそのことで落ち込んだ。

「以前の先生は、当番のペアの子が休んだら、他のクラスメイトに『誰かやってくれるかな?』と投げかけてくれるような人でした。しかし、担任は、そんな投げかけはしませんでした。以前から、担任は評判がよくなく、前年度には、クラスで不登校にさせた子どもがいたと聞きました。問題がありそうなので、先生は異動するだろうと思っていたんです。まさか、自分の子どものクラスになると思っていませんでした」(母親)

まだ学校へ通えていた小学校3年生当時のAさん(母親提供)

 また、Aさんはテストのときに、消しゴムを落としてしまったことがある。テスト中に質問など、何かある場合には、しゃべらずに手を挙げるというルールがあった。手をあげて消しゴムを取る許可を得ようとした。しかし、その担任はAさんと目があっても無視をしたという。

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「そのとき、カンニングと言われることが怖かったようです。2学期になって、ますます担任から息子が無視されることがひどくなり、周囲の子は『先生は、Aさんにきつい』『Aさんにだけ頻繁に呼びつけられる』と言っていました」(同)

担任はあくまでもAさんに非があったと主張

 そんな最中に、体育の授業中の出来事が起きた。その意味では、授業中のバレーボールのことは、きっかけに過ぎなかった。Aさんの心理的な負担が限界にきていた。翌日の校外学習をAさんは休んだ。

 担任は「ふざけるなら、しなくてもいい」との発言は認めている。しかし、次のようなやりとりがあったと、母親に電話で伝えたと主張したという。

 担任「ふざけてるの?」

 Aさん「ふざけていました」

 つまり、担任は「Aさんがふざけていたと認めた」と、母親に言ったのだ。しかし、Aさんは「ふざけていました」とは言っていないと断言する。ただし、当初は母親も大ごとにはならないと思っていた。出来事から数日後、校長とAさんが話し合った。Aさんは校長に「僕はふざけていないし、認めていません。やらんでいいと言われたけれど、やりますと言いましたが、無視された」と振り返る。

「話し合ったとき、校長は『Aくんの言ったことを先生に伝えるね』と指切りをしたんです。息子は安心していました。しかし、校長は担任に伝えず、『嘘つき』にされていることにショックを受けていました。息子は『(学校へ)行きたくない』『怖い』『悔しい』との気持ちが芽生えました」(母親)