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 先述したように、私はがん患者であるために同年代の中でもかなりいろんな検査・検診を定期的に受けている方です。それでも、こんなに丁寧で優しい検診に出会ったことはありませんでした。検診当日、肉体的・心理的な負荷がほとんどなかったことに加え、抱えていた不安に対して専門家から「手紙」として返事がくる。「自分」をきちんと見てくれているという安心感があり、値段以上の価値を感じました。

黒い点のように見えるのは「結節」といって、「良性のしこり」だという。筆者の場合、このしこりが通常の人よりも多く、今後悪性にならないとも限らないため、1年に一度の検診をおすすめされた。一般のレポートの場合3D映像はつかないが、写真が同封される。「ドゥイブス・サーチがすごいのは、素人目でもどこにどれくらいの大きさの“しこり”があるかが直感的にわかるところ」という高原先生の言葉にも納得。(画像提供:高原太郎先生)

 

胸を「見られたくない」はわがままか

 日本の乳がん検診率は47.4%にとどまっていますが、罹患率は年々増加の一途をたどり、約20年前には30人に1人だった罹患リスクが今では9人に1人にまで増えています。

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 高原先生によると、病院などで「なぜ乳がん検診を受けないのか」とアンケートを取ると、「多忙」や「痛み」がその理由の上位を占めるといいます。一方で、ドゥイブス・サーチを使った乳がん検診の“いいところ”を聞くと、「見られないこと」という答えが返ってくるそう。

 考えてみると、「忙しさ」や「苦痛」は受診しない理由として“それらしい”から言いやすい。でも、「胸を見られたくない」という思いは「わがまま」として処理されがちで、「健康のためにはそれくらい我慢するべき」というプレッシャーから声を上げにくいのかもしれません。

高原先生(右)と筆者(左)。この日は取材に際して特別に、検診後すぐに自分の画像を見ながら診断していただいた。「がんではないと思うけど……」という言葉にヒヤリとする。(※通常の受診では医師からの直接説明はありません)©二瓶彩

 そして「高濃度乳房(デンスブレスト)」であると思われる結果となった筆者ですが、日本女性の半数が高濃度乳房にあたるそうで、基本的に30代は全員がデンスブレストだといいます。さらに高濃度乳房の場合、マンモグラフィではがんの発見率が半分になるというデータもあるということなので、無料検診を受けているからといって、その結果を真に受けていいかは大いに疑問が残ります。