寿司のにぎり2つ分くらいのスパムにぎり
もちろん「あさひ」はそばにも相当こだわっている。そばは地元の製麺屋さんといっしょに試行錯誤して開発した。時間を気にするお客さんが多いため茹麺を使用しているのだが、そば粉の配合は7割近いというから驚きだ。
天ぷらもほぼ揚げたての状態で提供される。地物を中心とした国産の野菜を使う。
玉子も丹沢にある養鶏場に直接買い付けに行き、毎朝、使う分だけを購入している。
さて、ここからが本題である。
そばや出汁以外に、「あさひ」には客を引き付けるサイドメニューがある。店に入ってすぐに並ぶ注文カウンター、いなりやおにぎりを差し置いて、一番目立つ場所にところせましと「スパムにぎり」が置いてある。何気なく置いてあるのだが、この「スパムにぎり」が「あさひ」のキーアイテムだということにある日、気がついた。
「スパムにぎり」(170~190円)は、文字通りスパムをつかったにぎりめしだ。酢めしではないが、寿司のにぎり2つ分くらいの大きなサイズで、1センチ幅の海苔がスパムにぎりをぐるっと巻いている。
スパたく、チーズ、赤唐辛子にカレー
普通のスパムにぎりだけでなく、スパたく(刻んだ沢庵入り)、チーズ(とろけるチーズ入り)、赤唐辛子(店自家製のコチジャン味噌入り)、カレー(カレー粉がシャリにかけてある)などの種類が、その日の仕入れに応じて販売される。
トラック野郎・ガールたちは、店内だけでなく車中でこれを食べるのが楽しみになっているそうだ。常連さんはまず間違いなく頼んでいる。
帰り道、食べる「スパムにぎり」は格別である。店の味の余韻にひたれてなかなかよい。またこようと思わせてくれる重要な役割も担っている。
満足して店を出れば、西には丹沢の稜線がよくみえる。小田急鶴間駅か相鉄線相模大塚駅まで歩いて帰ろう。途中には泉の森公園など散策する場所もある。ウォーキングには心地よい。
「あさひ」は開業してからすでに30年以上になるそうだ。惜しげもなく出汁をとり、地元の製麺屋さんとそばを開発し、手軽でかつ安心なそばや「スパムにぎり」などの豊富なサイドメニューを提供し、運転手さんやお客さんたちの健康をも気遣っている。「あさひ」は今や大和厚木バイパスのオアシス的存在となっている。
写真=坂崎仁紀
あさひ
大和市上草柳541
営業時間 5:30-16:00
定休日 日祝