昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/05/04

「負けない」心の強さを持ってほしい

 ベリーグッドマンはMOCAさん、Roverさん、HiDEXさんの3人組。全員が増田と同じ1988年生まれだ。

 元々、それぞれがソロ活動をしていたところから結成されたため、自分が歌うパートはそれぞれ自分で歌詞を考えるのだという。

 

 MOCAさんが歌うパートで、思いが最もこもり、「歌うときはいつもウルッとくる」という歌詞がある。

「『絶対負けない』雲の上 またあいつの分まで頑張って」という部分だ。

「雲の上」に、思い浮かべる人がいる。

 山口慎二さん。延岡学園高時代の友人で、1年生の秋ごろに亡くなった。

「柔道部の練習中に倒れて、そのまま亡くなりました。友達を亡くす経験は初めてでした。野球部で厳しい練習が続く日々の中で、友達を亡くすという衝撃的な経験をしたのが、僕の中ではずっと残っていて」

「あいつの分まで」という気持ちは、今もMOCAさんの心に強く刻まれている誓いだ。

「戦う原動力というか、『なんで戦わなあかんねん』みたいなときに、思い出すというか。それが増田投手にも当てはまるかどうかは分からないんですけど。『あいつの分まで』と、気持ちが入ります」

 RoverさんとHiDEXさんにも、それぞれが好きなフレーズと理由を聞いた。

Roverさん「絶対に負けないで 今の自分には負けないで」

「この部分は鼓舞するというよりも、あなたの成功を懇願する、という気持ちを込めています。『勝つ』ことよりも『負けない』心の強さを持ってほしい。そして負けない気持ちで戦って、いつか必ず勝ってほしい。これこそまさに『ライオン』なんだ。そんな思いをつづっています」

HiDEXさん「後悔を嘆くよりぶれない決意を」

「後悔することをめちゃくちゃしてきましたが、ぶれずに続けた結果、今の自分がいるので、その気持ちを書きました」

「ライオン」に込めた、魂の叫び

「ライオン」を作ったころ、ベリーグッドマンとしては「あまりいい状況ではなかった」とMOCAさんは振り返る。

「メンバーとぶつかったり、プロデューサーさんとなかなか歯車がかみ合わなかったり。そんな葛藤をしていた時だったと記憶している。『負けるか! この音楽シーンで絶対勝つんだ』という思いで生み出した、魂の叫びのような曲です」

 増田に対するメッセージももらった。

「少しでも長くプロ野球で輝いている姿を見たい。お体に気をつけて頑張っていただきたいという思いと、今、日本も世界も元気がない状態なので、増田くんのアツい投球で日本を盛り上げてくれたらなと、すごく期待しています!」

 

 そして、増田にも「ライオン」への思いを聞いた。

「この曲の全部が好き。抑えをやらせてもらってから、ずっとこの曲で投げてきている。このまま一緒に(現役が)終わるまで、この曲でいこうかなと考えています。ともに今まで、この西武ライオンズでやってきたのを思い出す感じもあります」

 今、増田は苦しんでいる。4月22日のオリックス戦で2季ぶりの黒星を喫すると、5月1日の日本ハム戦でも、3点のリードを守れずに負け投手となった。

 言うまでもなく、彼の力はライオンズに必要不可欠だ。「ライオン」を聞いていると、「苦しいときこそ前を向いて戦おう」というメッセージが伝わってくる。戦う気持ちを持ち続けている限り、必ず、また日は昇る。

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム ペナントレース2021」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/45089 でHITボタンを押してください。

この記事の写真(4枚)

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー