偽クレジットカード使用がバレバレ……
最近はリスクを犯して店頭でヤバいクレジットカードを使って買い物をするヤバいお客さんは少なくなった。なぜならインターネットを使えば、誰とも顔を合わさずに天から入手したクレジットカード番号で買い物ができるからだ。
とはいえ、怪しいお客さんもまだチョイチョイ来店する。彼らは、とにかく軽くて高価なものを買おうとする。なぜか? 店頭で買った物品を「バッタ屋」と呼ばれる類の店に即転売して現金にするからだ。
バッタ屋は、倒産した店の不良在庫などを安く買い叩いて転売する店で、20年前ぐらいまでは、多くのバッタ屋が秋葉原には点在していた。そんな店に持ち込んで、即現金化するのだ。
だから持ち運びが簡単で高価なノートPCがよく選ばれる。だが、彼らはオレオレ詐欺の受け子のように、パソコンにはまったく興味がなく、値段だけを見てマシンを選ぶので、店員からするとすぐ分かる。だってどのメーカーも似たようなスペックの、似たような価格のマシンがあるので、フツーのお客さんは違いを聞いてきたりするものだからだ。
それなのになんの躊躇もなく高いマシンをサッ!と買えるのは、本来はスペックを自分で確認できるマニアなお客さんだけ。でも怪しいお客さんは、スペックを見るわけでもなく、パソコンに詳しそうな雰囲気もなく、しかも一切値切って来ないので結構バレバレなのだ。
ゲームソフトなどの“小物”を狙うケースが増えている
とはいえ、それだけで警察に通報するわけにもいかないが、そうしたお客さんはカード決済のタイミングで案の定引っかかることが多い。最近はカード会社の決済AIが進化していて、たとえ暗証番号が正しくても、これまでの購入額や購入場所とのパターンと比べて「怪しい」とAIが判断すると、POSレジにエラーコードとカード会社に電話するよう指示が表示される。
店員はこれを見て、カード会社に電話する。すると担当者がお客さんの風体や行動を聞いてくる(もちろん、店員はお客さんに気付かれないように答える)。そして最後には、「カード会社の担当者とお客さん」の間で直接話をしてもらうことになっている。
その会話の内容はまちまちだが「今回のご利用はご旅行先でのお買い物でしょうか?」「どちらにお住まいでしょうか?」といった内容が多いらしい。もし正規のカードだったら失礼なので、かなり遠回しに本人確認をするようだ。
このように決済システムのAIが賢くなったので、最近はノートPCなどの高額商品ではなく、ゲーム機やゲームソフトなどの小物を狙うケースが増えているという。それを中古店や質に入れて現金化するらしい。“ヤバい客”とのイタチごっこに終わりはないのだ。