「あなたがクリーニングに出している服のほとんどは、家でキレイに洗えます」

「年間10万円のクリーニング代を節約した人もいます」

 そう語るのは、横浜市でクリーニング店を営み、クレイジーケンバンドや有名劇団の衣装クリーニングも担当する洗濯のプロ集団「洗濯ブラザーズ」だ。しかし、クリーニング屋であるにもかかわらず、そうしたメッセージを伝える裏にはどのような思いがあるのだろうか。さらに、家でキレイに洗えるのならば、なぜクリーニング屋は存在するのだろうか。

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 ここでは同ユニットによる著書『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム)の一部を抜粋。プロが語る、意外と知らない洗濯の世界を紹介する。(全2回の1回目/後編を読む)  

クリーニングに出すべきものは、コレだけ!

 ボクたちの洗濯術を詳しく説明していきましょう。

日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(アスコム)

 最初にお伝えしたように、ほとんどのものは家で洗えます。クリーニング屋のボクたちが言うのだから本当です。それで年間10万円節約した人がいるのも、事実です。

 では、なんのためにクリーニング屋が存在するのか。

 それは、「クリーニングに出すべきもの」と「クリーニングに出したいもの」があるからです。

 クリーニングに出すべきもの、つまり家では絶対に洗えないものは、次の通りです。

・皮革、毛皮……水に濡れると固くなる。

・レーヨン、キュプラ……水に濡れると縮む。

・半合成繊維……アセテートなど。水で洗うと白っぽく風合いが変化する。

・光沢・シワ加工のもの……水洗いしたあと、素材感を再現するのが難しい。

 これ以外は“自分が”クリーニングに出したいのか、出さずに家で洗うのかを、決めていいものなのです。 

 たとえば、カシミヤ、アンゴラ、シルク、ダウンジャケットやウールのコート、ゴアテックスなども家で洗えます。