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年間10万円のクリーニング代を節約した人も “日本一の洗濯屋”が語る意外と知らない“洗濯術”とは

『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』より #1

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汗の汚れはドライクリーニングでは落ちない

 ところで、このドライクリーニングとはなんなのか、ご存じですか?

 ドライという名称どおり、水を使わずに洗う技術です。

 水の代わりに、石油系の溶剤を使います。

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 生地をなるべく傷めたくない服にも、ドライクリーニングは適しています。

 なぜかというと、水で洗うと、多かれ少なかれ繊維にダメージを与えるからです。

 石油系の溶剤というと刺激が強そうですが、じつは水のほうが生地に対する影響が大きいのです。

 じゃあ、やっぱりドライクリーニングのほうがいいのかというと、そうとも言えません。

 ちょっと専門的な話になりますが、石油系の溶剤は油(油性)の汚れは落とせますが、水(水溶性)の汚れは落とせません。

 水の汚れとは、たとえば汗です。汗の汚れは、ドライクリーニングでは落ちないのです。

 だからこそ、学生服は家で洗ってほしいのです。

 学生服の汚れと臭いは、ほとんど汗によるものではないでしょうか? これに対してはドライクリーニングでは意味がなく、家の洗濯機で洗ったほうがよっぽどキレイになります。

 最近は、ドライクリーニングでは汚れが落ちないことを知って、クリーニング屋に水洗いをお願いする人が増えています。でも、やっていることは家庭と同じです。業務用の大きな洗濯機を使うだけの違いです。

写真はイメージです ©iStock.com

 洗濯物によってはドライクリーニングで油の汚れを取ってから、水洗いで汗の汚れを落とすケースもあります。

 ドライクリーニング後の服の重さと、そのあとに水洗いした服の重さを測ってみたことがあります。水洗いしたほうが軽くなっていて、それが結構な違いで、びっくりしました。つまり、ドライクリーニングをしても、汗などの汚れがたくさん残っているということなのです。

クリーニング屋の洗濯は家でもほとんどできます!

 繰り返しになりますが、クリーニング屋で水洗いできるものは、家の洗濯機でも洗えます。

 意外かもしれませんが、クリーニング屋には家庭用の普通の洗濯機も置いてあります。家庭用とまったく同じウォッシュタブ(洗い桶)もあって、手洗いもしています。

 つまり、ドライクリーニング以外は、家庭と同じことをしているのです。

 クリーニング屋じゃないとできないことというのは、みなさんが思っているより少なくて、要するに水に弱い衣類を洗う場合だけなのです。

【後編を読む】洗濯機のスタートボタンを押すだけで服はキレイになりません! プロが明かす“目からウロコ”な汚れの落とし方

日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術

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2019年10月26日 発売

年間10万円のクリーニング代を節約した人も “日本一の洗濯屋”が語る意外と知らない“洗濯術”とは

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