「小さな関心」を持っている人たちにも、映画を観て欲しい
――監督は今後の作品も「移民」をテーマにしたいとおっしゃっていますね。
藤元 そうですね。日本にいる海外のかたがどう生きているのか着目していきたいし、これからもいろいろな人に出会ったりすると思うんですけど、僕は映画にしたいものに出会えれば、都度、作品にしていきたいと思っています。
――すでに次回作の構想もあるんでしょうか。
藤元 候補は、頭の中に漂っているんですけど、明確に脚本を書こうという構想は、今のところまだないです。今はまだミャンマー情勢のことで心の9割くらいが占められているので。まずそれがどうなるかですよね。
……といいつつ、次回は移民でも何でもないミャンマー映画を撮っているかもしれない。それから、僕は日本人を主役にした日本語での作品をまだ撮っていないので、日本人を通した、海外の人との物語みたいなものをやってみたいな、とは思っています。
――今回公開される映画『海辺の彼女たち』はどのような人に観て欲しいですか?
藤元 外国人題材とか、このテーマに関心がある人はもちろんですが、それほど関心がなかった人たち……普段「外国人増えてきてるな」くらいで、全然興味がないわけじゃなく「外国の人ってどういう人がいるんだろう」と、何かしらの「小さな関心」を持っているだけ、という人たちにもこの映画を観て欲しいです。専門家や関係者だけが観るのではなく。
普通の暮らしの中でも、海外から働きに来ている人には、無意識的でも絶対に関わっているはずです。実習生もそうだし、留学生もそう。そういった人々との距離感を近づけるには「どういう人がいるのか」という相手の感情を知ることから始まります。この映画を観れば、それを感じられると思うんです。
(インタビュー写真撮影:Haruhi Ichikawa)
INFORMATION
映画情報
『海辺の彼女たち』
5月1日(土)より ポレポレ東中野ほか全国順次公開
https://umikano.com/
©2020 E.x.N K.K. / ever rolling films
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