文春オンライン

来日し「ハズレ」を引いた外国人は命を落とすことも…在留外国人、そしてミャンマーのために、今私たち日本人ができること

映画『海辺の彼女たち』藤元明緒監督インタビュー#2

2021/05/01
note

ミャンマーで危険にさらされている妻の実家

――ところで、ミャンマーは今、非常に逼迫した状況ですね。監督のように知り合いや身内が多いと、特に気が気じゃないでしょう。現在、ミャンマーの情報というのは、SNS頼りなのでしょうか。

藤元 そうですね、SNS。あとは妻の実家の家族ですね。

――ご実家と電話でお話はできるんですか。

ADVERTISEMENT

藤元 できます、ネットが遮断されていないときは。でも電話でミャンマーの情勢について知るというのは難しいから、やはり情報源はSNS。それから現地に住んでいる日本人が発信している情報ですね。

藤元監督・4月13日のツイート

――こういう場合もSNSは重要なツールになり得るんですね。そういえば先日、SNSに投稿された写真や動画から、ミャンマー軍が使用した武器について解析した、という記事も見かけました。

藤元 ありましたね。しかし、あのように証拠を挙げてみたところで、という気もしますけれど。

 

――今、ミャンマーの人たちのために日本人ができるのは、どんなことだと思われますか?

藤元 すでに率先して活動されているかたもいらっしゃいますよね。でも長期戦になるとなかなか苦しい。資金が尽きてしまうと動けなくなってしまうので、個人であれば、そういうかたの金銭的な支援をするとか。小さなことなんですけれど、僕も前作『僕の帰る場所』のチャリティ上映会で寄付のお金を集めて、送ったりしています。

 あとはミャンマーで新政府が立ち上がったので、それを国際社会が認めるのか認めないのか、というところもありますね。

藤元監督・4月29日のツイート

――世界がどう動くのか。

藤元 日本を含めた世界、ですね。日本でいうとミャンマー軍との関係を絶つのか絶たないのかとか、まだちょっと判断できていないところがありますよね。