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来日し「ハズレ」を引いた外国人は命を落とすことも…在留外国人、そしてミャンマーのために、今私たち日本人ができること

映画『海辺の彼女たち』藤元明緒監督インタビュー#2

2021/05/01

困っている在留外国人へできる支援は必ずある

――最近『MIU404』(TBS)や『となりのマサラ』(NHK)など、テレビドラマでも外国人実習生や留学生を描く作品が出てきました。外国から働きに来ているかたが、それだけ身近な存在になりつつあるんでしょうね。

藤元 ドキュメンタリー番組で、実習生を追ったものは多いですけど、ドラマでも出てきてるんですね。

――ドラマでは、だいたい外国人実習生や留学生に様々なトラブルが降りかかってくる、という展開になります。

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藤元 まあ、トラブルはどこにだって起きるものですよね。現実ではそうしたときに、迅速にカバーできる環境というのを、本当は行政に作ってほしいんですけど……なかなかそうはいかない。問題が起こったときには「来週こういう活動が立ち上がります」くらいのスピード感が必要ですから、現状、そこは民間や外国人を支援しているシェルターがやることになる。

映画『海辺の彼女たち』より ©2020 E.x.N K.K. / ever rolling films

 でも、みんな誰でも一人ひとりができる支援っていうのも、絶対にあると思います。個人レベルでも、目の前で困っている外国人がいたら、組織を介さず、今すぐ必要としている物を贈ってあげるとか。誰かに託すならシェルターを応援・支援するほかにも、クラウドファンディングに参加するという方法もあります。

――大きなことばかりじゃなく、身近ですぐにできる支援というのも大事なんですね。

藤元 入管に訴えるとか、公的な組織に向けて常に声をあげていく、というのももちろん大事です。でも大きく制度が変わるのを待つだけでなく、それにプラス、シェルターを応援するとか、複合的にやっていくといいんじゃないかと僕は思っています。「なかなか制度が変わらないから」とゲンナリしているだけだと、時間の無駄になってしまいますから。