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内田 この10年間、最長何日間、一緒にいたことがあるんですか。

中野 クルーズ船で旅行したときは2週間一緒にいましたよ。

内田 奇しくも、あのダイヤモンド・プリンセス号ですよね。それが最長?

中野 そう。

内田 笑っちゃっていいですか(笑)。その2週間は息詰まる瞬間もあった? 

中野 ちょっとあった。そういうときは、私だけ「カジノに行ってくるね」って(笑)。

内田 爆発する寸前にスッと距離をとるということが大事なんですね。

中野 いや、ぶつかることによって得られる効果が大きいのであれば、大いにぶつかるといいと思うんです。でも、ぶつかることによる効果がイマイチな場合は、やらないほうがいいかな。

内田 それを判断するには、やっぱり俯瞰の目で見ないとね。難しいですねえ。みんな、いろいろな理想を掲げて家族になるんですけど、なかなかうまくいかないものなんですね。

人はみな選択をさせられる人生を送っている

中野 シングルの方からの質問もありますね。

Q.【30代女性より】自分の今までの生き方を振り返ると、仕事遍歴ではいいタイミングで正しい選択ができてませんでしたし、結婚、出産についても縁がなかったために、ずっと自分の過去の選択にバツをつけていました。そんなときに中野さんの著書を拝読し、ただ単に世間一般に蔓延している「正しい答え」を選べなかっただけで、自分個人としては悪くない選択だったのでは……と考え方が変わってきつつあります。著書に書いてあった「自分の選んだ答えを正解にする」という言葉が印象に残っています。

 

 そこで質問なのですが、自分の選んだ答えを正解にするには、どのような考え方や行動が必要だと思いますか。後悔をしない生き方……は清々し過ぎて無理で、ほかにもっとないかなと考えています。正解を作るには、常に最善を尽くすことでしょうか。

中野 これはですね、後悔は絶対するんですよね。

内田 後悔しなかったら、それはまたまずいですよね。

中野 それは学習しないってことですからね。何か後悔しているほうが知能を使っているなということなので。

 

内田 その度合いが大事なのかしら。

中野 そうですよね。自分が何かを選んでしまって、もう戻れないということがある。でもその戻れないということに、何か意味を与える必要があるんですよね。結婚もその一つかもしれない。あのときこう言っておけばこの案件を受注できていたのに、何で言わなかったんだろうというようなことがたくさんあると思います。

 普通は、人はみな選択をさせられる人生を送ってくる。その選択をさせられながら、正解を選ぼうとして、正解ではないものを選んでクヨクヨする。そんな人生を送るぐらいだったら、自分が選んでしまったものを正解にする努力をしよう、と私は提案したんです。

 一方で、選んだ答えが自然に正解になってしまう人がいるんですよ。その人が選んだから正解、というのがあるんですよね。例えば、その人の逃げた方向だけが生き延びる方向だった、というように。逆に、望んだとおりに大学付属の学校に入ることができたけれど大学がなくなったとか、素晴らしい大企業に入ったのに外国の企業に買収されてしまった、といった展開もあります。

 正解って、自分の努力とまったく関係ないところで決まることも確かにあるんです。運のいい人は、これはちょっと間違っていたかなという選択をしても、それが正解になるようになっている。私はそれを目指したいなあ。この質問者の方も、そういう人になることを目指しませんか。

内田 でも、どうやって?

中野 それをじわじわ考えているんですけどね。とにかく運が悪い人なんていない。誰にでも等しく“運”は降り注いでいるのだということだけはお伝えしたいと思います。これはまたいずれどこかで(笑)。

【続きを読む】中野信子「両親も必死だっただろうしなと…」 内田也哉子が笑った“中野さんのデスノート”とは

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うちの家族も“普通”じゃなかった!「#なんで家族を続けるの」
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■募集期間 5月5日(水)23:59まで
■形式 Twitter、Googleフォームからの投稿
■参加方法 あなたの家族のエピソードを、「#なんで家族を続けるの」をつけて、140字以内でTwitterに投稿してください。(応募エピソードはハッシュタグも含め1ツイートに収めてください。ツリー形式で応募ツイートにコメントを追加していただくことは可能ですが、1ツイート目を応募と見做します。応募ツイートに写真、動画などをつけることも可能です。文藝春秋プロモーション部アカウント(@bunshun_senden)をフォローし、DMにて連絡が取れるようにしてください)
Googleフォームからの投稿も可能です。
締切までに応募いただいた投稿から、『なんで家族を続けるの?』著者・内田也哉子さんと中野信子さんが優秀作品を選びます。
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※優秀作品は各種SNS、ウェブサイト、その他メディアや広告などで、Twitterアカウントとともにご紹介することがあります。また、その他の応募作品についてもTogetterでまとめたり、ご紹介させていただくことがあります。ご了承のうえご応募ください。

※優秀作品は、文藝春秋プロモーション部のTwitterアカウントにて発表いたします。賞品の発送は、日本国内のみとさせていただきます。締切数日後にDMにて送付先を伺います。連絡が取れない場合、当選が無効になることがございます。

内田也哉子
1976年東京都生まれ。樹木希林、内田裕也の一人娘として生まれ、19歳で本木雅弘と結婚する。エッセイ、翻訳、作詞、ナレーションのほか音楽ユニットsighboatでも活動。著書に『会見記』、『BROOCH』(ともにリトルモア)、樹木希林との共著『9月1日 母からのバトン』、翻訳絵本に『ピン! あなたの こころの つたえかた』(ともにポプラ社)、『こぐまとブランケット 愛されたおもちゃのものがたり』(早川書房)、『ママン 世界中の母のきもち』(パイ インターナショナル)などがある。

中野信子
1975年東京都生まれ。脳科学者。東日本国際大学特任教授。京都芸術大学客員教授。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。医学博士。2008年から10年まで、フランス国立研究所ニューロスピン(高磁場MRI研究センター)に勤務。著書に『サイコパス』、『不倫』、ヤマザキマリとの共著『パンデミックの文明論』(すべて文春新書)、『ペルソナ』、熊澤弘との共著『脳から見るミュージアム』(ともに講談社現代新書)などがある。

なんで家族を続けるの? (文春新書 1303)

内田 也哉子 ,中野 信子

文藝春秋

2021年3月18日 発売

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