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鎌ケ谷スタジアム近くで“幻の梨”に出会った…元ベイスターズ捕手が綴る“グルメなプロ野球”

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/06/12
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市場にはほとんど出回らない幻の梨“かおり”

  現在ベイスターズは日本ハムファイターズと交流戦を戦っている最中ですが、皆さんは日本ハムファイターズの2軍の本拠地、鎌ケ谷スタジアムに足を運んだことはあるでしょうか 。

鎌ケ谷スタジアム

 最寄りの駅から遠く、車を持たない方はバスを経由して来なければいけない、お世辞にも立地が良いとは言えない場所にあるのが“鎌ケ谷スタジアム”。

 ですが、球場の設備はナイター照明が無いものの、2軍のスタジアムには立派すぎるほどのオーロラビジョンや綺麗にカットされた外野の天然芝。スタンドを見渡せば、夏場は子供たちが遊べるプールもあるなど、プレイヤーもファンの方も楽しめるスタジアムなのは間違いありません。

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 余談ではありますが、スタジアムで出される昼食が非常に美味しいので、それを楽しみにしている選手もいるほどでした。

 そんな鎌ケ谷スタジアムを出ると、道路沿いには無人販売所がちらほら見えるのですが、何を売っているのかというと、梨です。千葉県の名産でもある“梨”がいたるところで販売されています。

 少し開けた場所に行くと有人の販売所があり、そこでは郵送の手配も行ってくれます。ある時、その日は試合が早く終わりいつもは閉まっているお店に寄った日の事、閉店間際だったからか、陳列棚にはほとんど品物がない状態だったのですが、店員さんが気を利かしてくれて「形が不揃いので良ければ」と言い、奥から持ってきてくれた不揃いの梨。

「これって幸水? 豊水?」と私が問いかけると、これは市場にはほとんど出回らない品種の“かおり”という梨だと教えてくれました。

 まず、匂いが明らかに違う。その名の通り皮の匂いを嗅ぐだけで他の品種より甘いのが伝わるほどでした。

 家に帰り早速食べたましたが、梨とは思えないほど甘く、みずみずしい。かといって、適度な酸味もあるので、甘ったるくならない。

 なぜこんなに美味しいものが、市場に出回らないのか聞いたところ定員さん曰く、収穫時期が1週間ほどしかなく、保存も長くはもたないため、だそう。

 私が来るのが1日遅ければ、もう今シーズンは終わり。最後の“かおり”をいただくことができました。

 幻の梨“かおり”に出会えたのは後にも先にもその一度きり。ネットは値段が高騰しすぎて買う気にならない。今年は、鎌ケ谷スタジアムの帰りではなく、幻の梨を買いに千葉へ行こう!!!

 今のこのご時世ではなかなか行けないかもしれませんが、コロナが収束すれば必ず行こうと思っています。選手も遠征先で食事に行けないのは辛いでしょうが、もう少しの我慢。なんとかみんな無事にこのシーズンを乗り越えてほしいと心から思っています。

 そして、平良……俺がおもてたのは開幕連続無失点の方の平良やないねん……。

 でも俺は信じてるぞ! 再来年のシーズンこそ二桁や!

◆ ◆ ◆

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