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「夏の世界的スポーツイベント」求人広告“多発”の怪 新聞各社はなぜハッキリ口を出さないのか?

ミルクボーイも真っ青の「東京五輪師匠」

2021/05/04

 何かとザワザワしてきた東京五輪。

 そんななか面白かった記事がこちらです。

『五輪・パラ スタッフこっそり?募集』(東京新聞4月24日)

 今、ネットに次のような求人広告があふれているという。

「【激レア求人】夏の一大スポーツイベント運営staff」

「経験・スキル・知識不問 大量募集の今がチャンス!」

「大規模スポーツ大会★歴史を作る仕事をしよう」

「とにかく超大量募集です」

 このアルバイト、共通しているのは「7~9月」の「世界的スポーツイベント」。なのにどの広告にも「五輪」とは書かれていないという。記者が募集している会社に聞いても口は重い。

 では働く場所はどこか?

「国立競技場」。

 明らかに東京五輪ではないか。

©iStock.com

ミルクボーイも真っ青な東京五輪の求人広告

 この感じ、どこかで見たなと思ったらミルクボーイの漫才だ。

「うちのオカンがね、アルバイトの名前を忘れたらしくてね」

「どんな特徴か教えてみてよ」

「7~9月におこなわれる世界的スポーツイベントやいうねん」

「東京五輪やないかい。その特徴はもう完全に東京オリパラやがな」

「オカンが言うには五輪だとは教えてくれないらしいんや」

「ほな東京五輪と違うかぁ。バイトどの場所でやってんの」

「国立競技場やいうねん」

「東京五輪やないかい」

 やっぱりミルクボーイの漫才にそっくりだ。でもこれってかなり深刻なことでもある。大量募集している求人広告がM-1王者の漫才のようなおかしみを持ってしまうのだから。当人たちが真面目にやればやるほど喜劇になっているという意味でもある。

「コンサートの設営もアーティスト名は出さない」?

 ある求人元は「これは五輪です」と遂に認めた。名前を伏せる理由として「コンサート設営スタッフ募集なども、アーティスト名は出さない」との返答だった。しかし疑問が浮かぶ。

 というのもアルバイトの内容は「五輪ボランティア」とまったく一緒なのだ。一方はタダ働きで一方は「時給1400円~2000円」。こんな不平等はちゃんと説明しなければおかしい。