日が暮れた渋谷では「おおっ!」「ほんとに消えたー!」とどよめきと歓声が
夕方になっても渋谷を訪れる人の数は減らない。日が暮れかけてくると、ポツポツと店の看板を出したり営業を始める飲食店が出てきた。酒の提供をしないで頑張る飲食店が多いが、渋谷でも罰則覚悟で酒を提供する飲食店を目にした。またそういった店には酒を求めて来る客が集中するため常に満席状態であった。中には酒を持ち込み可にする店も。
20時が近づくと、人の流れが渋谷駅へと向かうようになった。そのまま改札へ向かう人やハチ公前でたむろする人が増え始める。みんな何かに注目してスマホのカメラを向け始める。街頭ビジョンが消える瞬間を待っているのだ。
街頭ビジョンが20時に消えた瞬間、「おおっ!」「ほんとに消えたー!」とどよめきと歓声があがる。街頭ビジョンが消えるだけでちょっとしたお祭りのようなテンションに変わった。
街頭ビジョンを消すことで人出を減らすことにどれだけ効果があるのかどうかはわからないが、東京都は昨年に東京アラートなどと称して都庁やレインボーブリッジを赤く点灯させて効果が上がらなかったことを、発案した人は覚えていないわけではないと思いたい。
20時を過ぎて周辺を歩くと「お酒飲めますよ」と女性の呼び込みから声がかかる。酒を提供する飲食店の様子を見に行くと、店は営業を続け、店内は満席に近かった。そして渋谷駅周辺では路上飲みを始めるグループが増え始めた。路上で飲み始めるグループは若者が多いが、中には一人や二人で飲む中年、東南アジアから来た技能実習生らしきグループも見かけた。
路上飲みの感染リスクをスーパーコンピュータ富岳でシミュレーションさせて検証していたが、国の威信をかけて開発された富岳も、まさかこんな計算をさせられるとは思ってもいなかっただろう。(#2に続く)
写真=八尋伸
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