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行けないなら、パチンコの軍資金を貸してくれない?

 次に話を聞かせてくれたのは、品川区在住でフリーで宝飾品のデザインをしているという太田裕子さん(41歳・仮名)。お金がらみだけにまったく笑えない借金洗脳ママ友の話だ。

「保育園が待機で入れなくて、仕方なく近所の無認可保育園に子供を預けてたんです。そこで出会ったクミさん(仮名)は、30歳くらいでまだ若いんですけど、かなり大柄でいつもタバコを吸っているような人。私がこれまで生きてきてあまり知り合ったことのないようなタイプでした。

 そのクミさんといつも一緒にいる、ヨウコさん(仮名)というママがいたんです。小さくて、無口で、大人しそうな方なんですけど、ヨウコさんも、この保育園でクミさんと知り合って、仲良くしてると言ってました。

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 ある時、ヨウコさんとお迎えの時間が一緒になって、はじめてふたりだけで喋る機会があったんです。その時に、自然とクミさんの話になりました。

 クミさんはパチンコが好きで毎日のように通ってるそうなんです。ヨウコさんは、それまでパチンコなんてしたことなかったみたいなんですけど、クミさんに誘われてたまに行くようになったということでした。

 ヨウコさんはパチンコがそこまで楽しめなかったので、誘われても断るようになったら、クミさんから『行けないなら、パチンコの軍資金を貸してくれない?』とお金を無心されたそうです。

言葉巧みに借金を重ね…

 ヨウコさんは一緒に行かなくなったことに引け目を感じていたので、1万円を貸したそうなんです。それからは同じパターンで、また1万、ある時は3万と貸すようになって……。

 最初の頃は、お金を返してもらったこともあったらしいんですけど、どんどん返済が滞るようになって。そのうちに『携帯が止まった』とか、『親が病気だ』とか、意味のわからない理由で言葉巧みに借金を重ねさせられて、最終的には貸したお金が250万円くらいに膨れ上がったそうなんです。

 私はさすがにヨウコさんがかわいそうで、同じような被害にあっていた保育園のママ友にも声をかけて、みんなでクミさんの家に乗り込みました。クミさん本人は不在だったんですけど、家にいた旦那さんと義理の両親に状況を説明。分割でもいいからヨウコさんに返済するという約束を取り付けました。旦那さんは『もうクミにはパチンコに行かせない』という約束もしてくれました。

 そのすぐ後に、クミさんは保育園を変えてしまったようで、その姿を見かけることはなくなりました。

 ヨウコさんへの借金は、細々とですが、旦那さんが返済してくれてるそうです」(太田さん)

 他人と距離を縮めた先にあるのはカネの無心というわかりやすい例。運良くお金が回収できそうなのは、幸運と呼ぶべきだろう。

 そして洗脳の代名詞といえば新興宗教に他ならない。村山広恵さん(34歳・仮名)の体験した恐怖の出来事とは?