文春オンライン

「家の周辺に不審な車はありませんか」加害父が“子殺し”の直前に恐れていた“誰か”とは《九州3児遺体》

九州3児遺体 #3

genre : ニュース, 社会

note

田中容疑者から電話「家に誰か来ていませんか」

「年が明けた2021年1月初旬頃から、田中さんは3人の子供とともに自宅に戻らない日が増えてね、近隣の方から『夜も帰ってこないから気味が悪い』と相談を受けたんです。私のところには田中さんから『雪で帰れません』『家に誰か来ていませんか』『私の家の周辺に不審な車はありませんか』といった電話が自宅に数回かかってきました。大翔くんは学校に行っていた日もあるようでしたが、一家は団地にいないことが多かったんじゃないか」(同前)

田中容疑者らが住んでいた県営住宅 ©文藝春秋

 それでも時折、田中容疑者が自宅へ帰ってくることはあった。1月下旬には近隣に住む高齢女性に金の無心をしている。

「田中さんが『お金を貸して』と家に来たんです。生活費がないんだって。そこでかき集めた5千円を渡すと、30日には生活保護のお金ですぐに返してくれました」

ADVERTISEMENT

 しかし前出の大手紙社会部記者によると、2月10日を最後に大翔くんは小学校に登校していないという。前出の高齢女性は田中容疑者らを気にかけ、2月13日に自宅を訪れてもいる。

田中容疑者らが使用していた子供用品 ©文藝春秋

「翌日がバレンタインデーだったから子供たちにチョコレートを渡そうと思ってね。その日、田中さん親子は家にいて、蓮翔ちゃんと姫奈ちゃんには直接渡したんです。2人は『ありがとう』と嬉しそうにしていた。大翔くんは出てこなかったので、2人に『お兄ちゃんの分ね』と渡しました。2人とも変な反応はしなかったから、その時はまだ大翔くんは生きていたんじゃないかなと思います。

 田中さんは『なんで(チョコレートをくれるの)?』と不思議がっていました。人付き合いが少なそうだから、きっと物をもらったりしたことがないんでしょうね。『バレンタインよ』というと『あっそうか。気をつけてね』と声をかけてくれた」