実子2人を殺害したとして逮捕された福岡県飯塚市の職業不詳、田中涼二被告(41)。5月17日、検察は殺人の罪で起訴した。文春オンライン取材班が現地入りし、田中被告周辺を取材しているとある衝撃の事実が発覚した。
捜査関係者が明かす。
「『太宰府主婦ホスト漬け殺害事件』の1審福岡地裁の裁判員裁判で懲役22年が言い渡された山本美幸被告(42)が約20年前、田中被告と婚姻関係にあったことが判明した。太宰府事件はその殺害方法があまりに残酷なことから、全国から注目を浴びた事件だ。今回の3児遺体発見といい、元夫婦が別々でここまで大きな事件を起こすのは前代未聞だろう」
近年は両被告が連絡を取り合うことはなかったようだが、2人の人生は思わぬところで交差したのだ——。
母親は「恰幅がよくて田中被告よりも大きい」
今回、田中被告が実子に手をかけたのは2月26日、鹿児島県・桜島の麓にある観光ホテルでのことだった。蓮翔(れんと)ちゃん(当時3)と姫奈(ひな)ちゃん(当時2)の首を絞めて窒息死させ、その後に自らも首を切るなどして心中を図ったが死にきれなかった。ホテルから約230キロ離れた自宅からは、病死とみられる養子の大翔(ひろと)くん(当時9)の遺体も発見された。
田中被告らと同じ県営団地に住む高齢男性はこう証言する。
「田中さんは2020年5月頃に福岡県東区から蓮翔ちゃんと姫奈ちゃんと3人で引っ越してきたのですが、元奥さん(子供の母親)から逃げてきたようでした。でもその後に元奥さんと大翔くんが合流して、5人で暮らし始めた。
始めは上手くいっていたようだけど、次第に夫婦喧嘩が増えてね。警察が駆けつけるほど激しくやりあっていましたよ。2020年12月には元奥さんが刃物を持ち出して、部屋に血の海が出来ていたこともあった。その直後に離婚して、田中さんが子供3人を引き取ったんです」
駆けつけた警察が夫婦喧嘩を仲裁する中で、その場にいた大翔くんと蓮翔ちゃんに「お父さんとお母さんが別れたらどっちについていきたい?」と聞いたこともあった。すると2人は声を揃えて「お父さん」と答えたという。
近隣住民によると元妻で子供たちの母親である女性については「恰幅がよくて田中被告よりも大きい」「ほとんど見かけず、話したことはない。子供と遊んでいるのも見たことがない」という声が聞かれた。
一方、田中被告は「入れ墨を彫っていて見た目は怖いけど、話すと気が弱そう。入れ墨は虚勢を張っているだけなんじゃないか」という印象だったようだ。