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《九州3児遺体》子殺しの“入れ墨父”は「太宰府主婦ホスト漬け殺害」の“女帝”と結婚していた〈息子はLINEで「生き地獄」〉

《九州3児遺体》子殺しの“入れ墨父”は「太宰府主婦ホスト漬け殺害」の“女帝”と結婚していた〈息子はLINEで「生き地獄」〉

九州3児遺体発見 #4

genre : ニュース, 社会

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田中被告が語った約20年前の“女帝”との暴行

 3児の遺体が発見された事件の後、FNN系列のテレビ西日本が田中被告のインタビューを公開した。そこで田中被告は「自分は殺人はしてないけどそれなりの悪さは一通りやってきた」「他人に迷惑をかけて、関係ない人間を苦しめるようなことをしてはいけないと思う」などと語っている。大手紙社会部記者が解説する。

「実はこの映像は、元々は『太宰府事件』を取材する中で、事件の中心人物である山本美幸被告の元夫として田中被告に接触し、匿名でインタビューをしたものなんです。田中被告が事件を起こすおよそ4カ月前になります。しかしその後に田中被告が殺人事件を起こしたため、田中被告が自分語りをしている部分だけを抜き出して、太宰府事件とは別物として実名、顔出しで公開したようだ」

山本被告の元夫として匿名でインタビューに答える田中被告 (「『すくえた命』太宰府 主婦暴行死事件」より)

 太宰府事件を特集した番組「『すくえた命』太宰府 主婦暴行死事件」(テレビ西日本)内で、田中被告は「(結婚していた頃に)『お金がないなら、人から取ればいい』という山本被告に言われるがままに暴行して金をとった」などと、過去に山本被告と共謀して犯した暴行について語っている。その犯行はあまりに残酷だった。

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田中被告「(山本被告は)シガーライターを体に押し付けてみたり、カッターナイフで爪を剥いでみたり。でも(山本被告は)ヘラヘラ笑いながら「これ楽しいもんね~」とか言って「もう一枚取る? まだ(金を)払わん? じゃあもう一枚」って風なことを平気でやってましたね」 

 番組内では、半年にわたり3人を監禁するなどして数百万円を脅し取ったとして、当時、山本被告と田中被告が有罪判決を受けていることも明かされている。

 太宰府事件でも、山本被告らの犯行は残忍だった。

“女帝”山本被告が起こした「太宰府事件」

 2019年9月下旬~10月20日ごろ、山本被告らは福岡県太宰府市の自宅で主婦・高畑瑠美さん(当時36)の太ももをナイフや割り箸で刺すなどし、20日午前4時50分ごろまでに外傷性ショックで死亡させたとされている。

遺体発見場所 ©文藝春秋

「そもそも山本被告は別の男たちとともに、瑠美さんの兄であるAさんに難癖をつけ、支払う義務のない借金を背負わせた。その後は暴力と脅迫で数千万円単位の現金を脅し取っています。金づるだったAさんが失踪した後に目を付けたのが瑠美さんでした」(同前)

 山本被告はまず瑠美さんをホストクラブに通わせて借金を重ねさせ、家族から引き離し、孤立させた。そのうえで日常的に暴力や脅迫を加えることでマインドコントロールをしていった。

「山本被告は明るい髪色に濃いメイクと見た目も派手。取り巻きをひきつれて中洲の歓楽街で飲み歩き、豪快に金を遣う様子から、界隈では「女帝」として君臨していた。瑠美さんに対しても、背後に暴力団の存在を匂わせ、共犯の男たちに指示をして暴力を加えさせていた。

ホストクラブでの山本被告(左)と岸被告(右)

 しかし福岡地裁での1審で山本被告は『(暴行を)私はしていない。岸颯被告(1審で懲役15年、控訴)の暴行を止められなかった』などと無罪を主張。控訴しており、高裁での控訴審に向けて準備が進められている状況です」(同前)

 2020年10月、太宰府事件を取材するなかで、文春オンライン取材班は山本被告の母親に直撃している。その際、母親は山本被告の元夫である田中被告について、こう語っていた。

「美幸が20年以上前に『お腹に赤ちゃんがいる』『結婚して子供を産む』と言って実家に帰ってきました。出産して2カ月くらいで美幸は出ていってしまいましたが、1年くらいは元旦那(田中被告)が残って世話をしましたが、その元旦那も『ちょっと抱っこしていて』と言い、そのまま姿をくらませてしまいました。風の噂で死んだのではないか、と聞きましたが実態はわかりません」

 今回、母親に再び取材を申し込んだが応じることはなかった。