18歳から水商売の世界に足を踏み入れ、自分自身を「底辺キャバ嬢」と称するフリーライターのカワノアユミ氏。
彼女がアジア各国を漫遊しながら、現地のキャバクラに勤務した際のエピソードをまとめた一冊『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イースト・プレス)は各方面に大きな話題を呼んだ。ここでは同書の一部を抜粋し、ベトナム最後の未開の地にあるガールズバーで体験した驚きの体験を紹介する。(全2回の2回目/前編を読む)
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ベトナム最後の未開の地のガールズバー
アジアのキャバクラ放浪で最後にやってきたのは、ベトナムのハノイ。これで、ついに日本人キャバクラのあるアジアの国、全制覇! イエーイ!
謎の達成感に包まれながら、空港に降り立つ。ベトナムは旅行で何度か訪れたことはあるが、ハノイははじめてだ。
「なんじゃこりゃ……」
以前、訪れたマクドナルドやスタバや高島屋のあるホーチミンとは打って変わった街並み。見たことのない路面店ではZARAやH&Mが売られている。肩パットがガンガン入ったひとつボタンのジャケット、昭和の芸人が着てそうなデカデカとイニシャルが入ったニットではなくセーター……。これはZARAじゃない!
しかも10月というのに寒い。夏服しか持ってきていないけど、さすがにこんなダサい服着られるか!!
ここは本当にベトナムの首都なのか?
何はともあれ、ハノイのキャバクラ……ではなく、ガールズバーで働くことになった。
なぜガールズバーなのかというと、この時、ベトナムにはガールズバーしかなかったのだ。なんでも、系列のラウンジがホーチミンにオープンする前なのだとか。
「本当は今月オープンって聞いてたんですけど、延期してるみたい。それまでハノイで待つことになったんですよね」
そう話すのは、同じ寮に住むカオリちゃん。
ホーチミンに行く予定で来た日本人の女の子数人が、ハノイの店で待機しているらしい。その数、なんと5人。