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どうやら、この店で誰がカワイイかという話をしているようだ。プライベートで出会いがないのか、異性の話題もこの店のキャストになってしまう。会話の世界が狭すぎて涙出てくるわ。
だが、もっと悲惨なのは……、
「うわ~! 日本人の女の子がたくさんいる!!」
ハノイから車で2時間、北部の港湾都市ハイフォンに住む駐在員たちだ。工業地帯でもあるハイフォンは、日系企業の工場が多く進出しているため、住んでいる駐在員も多い。ハイフォンには飲み屋がほとんどないらしく、このように週末のみハノイに遊びに来る駐在員もいるのだが……。
「普段、女の子と喋る機会なんかないから、こんなに日本人の女の子がいると、き、緊張するね」
30は過ぎているであろう男が完全にコミュ障。恐るべしハイフォン……。
同じベトナム駐在でもホーチミンとハノイでは、まさに天国と地獄。
「せめて、ホーチミン駐在になっていレバ……」
今日も男子客はタラレバを言いながら、ガールズバーの夜は更けていくのであった。
苦手なキャストの克服法とは?
系列のホーチミンの店がなかなかオープンしないので、ガールズバーのキャストは常に多かった。女が多いということは当然、苦手な子もできる。
「めっちゃオモロイやーん!! あ、一杯いただいていいですかぁ?」
関西出身のクミちゃんは、積極的に客に付いてドリンクを頼む。さすが関西人というべきか。同じ客に付いていると話を持っていかれるというか……、ちょっと苦手だった。
「ちょっと、アイス取ってくれへん?」
おい、ワシ年上やぞ……と思いつつ、アイスを取る私。