文春オンライン

22時以降真っ暗な街、電気が点かない寮…アジアの日本人キャバクラを放浪した“底辺キャバ嬢”が明かす“ヤバい”店

『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』より #2

2021/05/24
note

 どうやら、この店で誰がカワイイかという話をしているようだ。プライベートで出会いがないのか、異性の話題もこの店のキャストになってしまう。会話の世界が狭すぎて涙出てくるわ。

 だが、もっと悲惨なのは……、

「うわ~! 日本人の女の子がたくさんいる!!」

ADVERTISEMENT

底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる

 ハノイから車で2時間、北部の港湾都市ハイフォンに住む駐在員たちだ。工業地帯でもあるハイフォンは、日系企業の工場が多く進出しているため、住んでいる駐在員も多い。ハイフォンには飲み屋がほとんどないらしく、このように週末のみハノイに遊びに来る駐在員もいるのだが……。

「普段、女の子と喋る機会なんかないから、こんなに日本人の女の子がいると、き、緊張するね」

 30は過ぎているであろう男が完全にコミュ障。恐るべしハイフォン……。

 同じベトナム駐在でもホーチミンとハノイでは、まさに天国と地獄。

「せめて、ホーチミン駐在になっていレバ……」

 今日も男子客はタラレバを言いながら、ガールズバーの夜は更けていくのであった。

苦手なキャストの克服法とは?

 系列のホーチミンの店がなかなかオープンしないので、ガールズバーのキャストは常に多かった。女が多いということは当然、苦手な子もできる。

「めっちゃオモロイやーん!! あ、一杯いただいていいですかぁ?」

 関西出身のクミちゃんは、積極的に客に付いてドリンクを頼む。さすが関西人というべきか。同じ客に付いていると話を持っていかれるというか……、ちょっと苦手だった。

「ちょっと、アイス取ってくれへん?」

 おい、ワシ年上やぞ……と思いつつ、アイスを取る私。