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2021/05/24

 たしかに中毒性のある味だが激ウマ。ハノイに行ったら是非、「ASHIMA(アシマ)」のキノコ鍋を食べてみてください。

店内恋愛は酒の肴

 海外キャバクラに来る子は大きく3つに分かれると思う。

(1)日本からなんとなく来た子

 これは最も多いのではないだろうか。特に目的はないけれど、なんとなく海外で働きたいタイプ。私もこれに近いかな。

(2)現実逃避系

 漠然とした将来への不安を抱えながら、なんとなく海外に希望があるんじゃないかと夢見て来るタイプ。シンガポールや香港など、物価も高くバブルな国に多い。

(3)男目的や男絡みで来る子

 プノンペンの香苗さんや香港で出会ったアイドルの真美とか。日本円にしても大した貯金にもならないのに長期でズルズルと働いているタイプに多いと思う。

 ハノイの店のオーナー兼ママは、日本でもガールズバーを経営しているため、1か月毎に日本とハノイを往復していた。なので、普段の店の経理や管理は男子マネジャーに任せている。

「ハァ……」

 マネジャーをしているユウジさん。よく飲みに来ているのだが、この日はヤケに浮かない顔をしていた。

「何、落ちてんスか(笑)」

「カズミとケンカしたんダヨネ~」

 私の問いかけに、ベトナム人スタッフのリンちゃん答える。

 カズミさんは元々働いていた女性キャストで、今はユウジさんと一緒に女の子の管理やマネージメント業務をしている。

「カズミさんと付き合ってるんスか?」

 問いかけると、ユウジさんは重々しく口を開いた。

「誰にも言わないでね……」

 ユウジさんの話によると、先週カズミさんとケンカしたという。しかもその直後、カズミさんは日本に一時帰国してしまったそうだ。

「このまま、戻ってこなかったらどうしよう……」

 そう肩を落とし、ユウジさんは水割りを一気に飲み干した。

営業前に自分達の夕食のゴイクン(生春巻き)を巻くベトナム人スタッフ・リンちゃん。この後、ゴイクンは皆に振舞われた

「ダイジョーブ! 戻ってクルヨ~!」

 爆笑するリンちゃん。私には理解できなかった。海外で付き合うというのは、その場だけの遊びというかセフレ感覚じゃないのか?

 海外で、ずっと付き合っていこうと思う考えが理解できない。結婚しない限りは、いつか終わりが来るとわかっていて遊びで付き合っているものかと思っていた。そして、海外に彼氏がいる人の話を、どこか面白半分で「酒の肴」程度にしか聞いていなかった。

 私には海外で恋愛するほどの覚悟がない。この頃、私は周りとの温度差に気づきはじめていたのかもしれない。それは海外に住み続けたいという気持ちの薄れでもあり、アジアのキャバクラにいる意味を見い出せなくなりはじめた瞬間でもあった。

【前編を読む】「テメェ!!」「なんだ!? コノヤロー!!」 “底辺キャバ嬢”が体験したカンボジアの廃屋キャバクラでの衝撃の日々

底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる

カワノアユミ

イースト・プレス

2018年4月15日 発売

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