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「一緒に売れる必要はない、友達のまんまでいいんじゃない?」光浦靖子(50)が語る同級生・大久保佳代子の存在

『50歳になりまして』より#1

「めちゃイケ」でバカウケした大久保さん

「めちゃイケ」のスタッフが私たちの単独ライブを見て、大久保って面白かったんだ、となり、「めちゃイケ」に隠しゲストで出ることとなりました。バカウケでした。時代の幕開けでした。

 嬉しかったです。眠れる獅子がやっと起きたぜ。この人、うちの学年で一番面白かったんですから。もう一人じゃないんだ。もう怖くなくなる。

ブローチをつけたバックを持つ光浦靖子さん 撮影:榎本麻美

 初めは嬉しかったのですが、すぐに辛くなっていきました。何も、思い描いたようには運びませんでした。大久保さんは「OL」という肩書き、扱いなので、スタッフも共演者も、私に要求するものと大久保さんに要求するものが違いました。そして大久保さんはまだ未知の存在で飽きていない。大久保は面白いけど光浦はつまらない、そうなってゆきました。あれ? あれれれ? いや、いや、そういうことじゃなくて。一刻も早く、この空気打破しないと……。私だって、いや、私の方が面白いはずです。私は焦って空回りばかりするようになりました。カラカラカラカラ…………。

 ネットニュースなどに大久保さんが取り上げられるたびに比べられました。そこにはいつも「逆転」という文字が。ウサギとカメのカメが大久保さんなんでしょうか。何が腹たつって、世間の正義は勝つという空気でした。大久保は今までOLで苦労してきたから。テレビに出ないことは苦労なんですかね。ここまでの環境を作るのに、どれだけの苦労をしたことか。

 なぜ世間は比べることが好きなのでしょう。自分の意見だけじゃ心もとないから、差で補強しようとするのでしょうか。大久保すごい、それでいいじゃんね。光浦落ち目、これを加えることで、少しでも問題を大きくしようとする人たちの意地悪さに泣かされました。

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