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「前職はウェディング。給料は手取り13、14万まで落ちて」…コロナ禍で働く風俗嬢の「本音」

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 店は日払い制で、すぐに働き始めたことで何とか生活は持ち直すことができた。ただ、素人が想像するほど楽に大金が稼げる世界ではなかった。

「お店の給料は完全折半制で、お客さんが払ったお金の半分が私の取り分になります。あ、そこから雑費として15%をお店に持っていかれるので、手取りはもうちょっと少ないですね。働き始めてから今までで、一番たくさん稼げたのがだいたい1日で3万円ぐらい。でもそんな日はめったにないし、日によって波があるのもキツい。お客さんが少ないと、一日12時間店にいても日給1万円いかない日が普通にありますよ」

 彼女の働くピンサロは、他の風俗に比べて一般的に客単価が安く、数をこなさなければ収入は増えない。それでも今のところ月収は平均して30万円弱になっているという。

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「さすがに前に働いていた会社よりは全然いいです。ただ、コロナがどうなるか分からないし、お客さんもたくさん来るわけじゃないですからね……」

写真はイメージ ©️iStock.com

コロナ禍で営業する風俗店の実情

 彼女が働き始めたのは2回目の緊急事態宣言の真っ最中のこと。それ以前の状況に詳しいわけではないが、店の人間や同僚に聞く限りでは、やはりコロナの影響は少なくないようだ。

「お客さんはかなり減っているみたいで、近所にある別の風俗店も幾つか店をたたんだそうです。街を歩いていても空き店舗になったままのハコがチラホラありますからね。

 こういうお店ってだいたいお酒を飲んだ流れで来店するお客さんが多いんですが、ここ1か月くらいはお酒が飲める店も閉まっていますからね。皆さんよく『どこもやってないから、他に行くところが無くて』って言いますし、わざわざ離れた場所から探して来る人とかもいますけど」

 彼女の店でも客足は減ったが、店で働きたいと求人募集に応募してくる女の子の数は変わらず多いという。風俗業界の人の出入りは激しいといわれるが、コロナ禍になって以降、新たに働き始める女性が増えていることは実感しているという。

「店には私と同じような事情で風俗を始めた子もいるし、ソープで働いていた子が切り替えて入店してきました。あっちもお客さんが減っているのは変わらないけど、同じ濃厚接触でも向こうのサービスの方がより濃厚だし、まだこっちの方がマシという感じみたい。

 他には風俗ではなく、キャバ嬢などの水商売からも何人かいましたけど、そういう子たちは1回体験入店しただけですぐ辞めちゃいますね。本人に聞いたわけじゃないけど、やっぱりサービスの種類が違うし、プライドがあるんじゃないかな」