収拾がつかない売り場トラブル
購入後にクレームを入れられるケースだけでなく、売り場でもさまざまなトラブルが発生している。
「ある日、4歳くらいの男の子が陳列されているシャンプーの詰替え容器のフタを開けようとしていたので、やさしく『商品で遊ばないでね』と伝えたんです。すると、近くにいた20代のお母さんが『今うちのコに注意したでしょ! 商品を壊したわけじゃないのに何なの!?』と過剰に反応して、店長を呼んでくるように言われました」
彼女は駆けつけた店長に対して「この店は従業員にどういう教育をしてるのか」「子どもが泣いてしまった」と、激しくまくしたてたという。
「店長が『本部に報告して教育します。申し訳ありません』と謝ると、満足したのか立ち去っていきました……。まずは、相手の怒りをおさめなければならないので、私たちは平謝りをするしかないんですよね。家族連れで来ていたお客さんは、目当ての商品が品切れだとわかると『使えねえな』と吐き捨てていきました。仕事なので謝りますが、内心、子どもの前でよくそんな態度を取るなあと思っちゃいます」
現場のクレームは親子連れだけではない。郊外のスーパーに勤務する三井沙也加さん(仮名)は、高齢層からの暴言に辟易しているという。
「台車を使って商品の品出しをしていると『邪魔だ、どけ!』と、台車を蹴られたり、突然『梅酒の作り方知ってるか?』と話しかけられて答えられないと『よくそれでスーパーに勤めていられるな!』と怒鳴られたり……。一番意味がわからなかったのは、70代くらいの男性に呼ばれて行ってみると『昨日、ホコリがかかったワインボトルに指で印をつけておいた。今日もホコリがかかったままじゃないか!』とキレられたことです。昭和の姑かと思いました」