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──個室内の性行為はありがちですが、それをライブ配信するのは初めて聞きました。

山崎 こうした利用客の傾向として顕著なのは、男性も女性もコミュニケーションが取りづらい人が多いということです。ネカフェは初めて利用する人には身分証を提示してもらい、利用法などをいろいろと説明するんですが、そうした会話さえおぼつかない人が非常に多い。

 だからといって大人しいわけではなく、「言葉遣いが気に入らないから言い直せ」とスタッフにキレたり、「ここが汚れているから掃除しろ」と言いがかりをつけて高圧的に命令してきたりする。

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 立場の弱い者に対して威張ることで、日ごろの鬱憤を晴らしているのかもしれません。こういう人を毎日相手にしていると、こちらも精神的に参ってきます。

何か事情がありそうな女性客が増えている

 3年前から歌舞伎町のネカフェで働いている内村修さん(仮名、28歳)も、コロナ以降の利用客の態度に頭を悩ませているひとりだ。内村さんの話を聞いていると、いま歌舞伎町のネカフェがこちらの想像以上に荒み切っていることがよくわかる。

──コロナ以降、歌舞伎町のネカフェはどんな状況なんでしょうか。

内村 歌舞伎町という土地柄もあり、もともとうちは泥酔したサラリーマン、ホスト、キャバ嬢、水商売関係者で深夜帯は賑わっていたんです。でも、昨年の緊急事態宣言以降はガラガラになり、閑古鳥が鳴いていました。いまはコロナ慣れのおかげで客足が戻りつつある状況ですが、そのかわりに問題客が多くなった印象です。

──飲み歩けない状況にもかかわらず、問題客が多くなった?

内村 シラフなのに酔っ払いよりもおかしな人がすごく増えました。男性でいえば、マスクをせずに平気で来店する人や、女性でいうと、何か事情がありそうな人とか。大きなぬいぐるみを抱えて放さなかったり。

©iStock.com

──ぬいぐるみを抱えている? 

内村 年齢は20歳前後、うちの店舗に半ば住んでいました。頻繁に外出していたので、おそらくパパ活かデリヘルをやっている子だと思います。

 幼いころから一緒にいる古いぬいぐるみをずっと抱えていて、受付中にそのぬいぐるみに話しかけたりするんですよ。ただ、理由はわかりませんが、ある日外出して以降、そのまま戻って来ませんでした。

 戻って来ないので清掃するために個室を開けると、部屋の真ん中にそのぬいぐるみが鎮座していたんです。捨てるのもしのびないのでしばらく取っておいたんですが、2週間待っても帰って来なかったので結局は廃棄しました。ちょっと切なかったですね。

──最近はそうした何か事情がありそうな女性の利用客が非常に多いと。

内村 「あれ」って、ひと目でわかる人が多いです。たとえば、毎日12時間利用する若い女性客がいたんですが、その子は顔が青あざや傷だらけで、しかも来店するたびにあざや傷が増えていく。最後は目も腫れ上がっていました。これ以上、もう青あざがつくところがないという状態になったとき、ぷっつりと来なくなってしまったんです。