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「漫画も気象予報士も外国語も、全部やらないと食べていけないから」 矢部太郎が語る“漫画が評価されたとき”の“米屋”のような気持ち

矢部太郎さんインタビュー#2

2021/06/20
note

やべみつのりさんからのメッセージ 

絵本作家・やべみつのりから

 

 親バカですが、よく描けているなと思います。

 

 自分で言うのもなんですが、つくづくへんな「お父さん」ですね。高度成長期に「全力でのらないぞ!」という気合いを感じます(笑)。

 

 自分の好きなことを、子どもと一緒にやっていたなあと改めて感じました。僕自身が子どもと楽しみながら、生き直していたように思います。子育てをされている皆さん、子育てを楽しんで、子どもから学んでください。子どもはみんなおもしろい!

 

 マンガとしても、シンプルななかにポエジーがあって、読者に想像する余地を残していていいなと思いました。幼い息子視点で父親のことを描いたのもユニークなんじゃないかな。お父さんの帽子は、電気スタンドのカサみたいで、ちょっと変だけど(笑)。

 

 締め切りを守らず編集者を困らせているところなどは今も変わっていないので、太郎は成長して活躍しているようだけど、僕自身は成長していないなあ。

やべ・みつのり

1942年生まれ。絵本作家、紙芝居作家。絵本に『かばさん』『あかいろくん とびだす』、『ひとは なくもの』(共著)、紙芝居に『かめくんファイト!』『かわださん』などがある。96年に第34回高橋五山賞奨励賞を受賞。

 

(取材・構成:相澤洋美、撮影:山元茂樹/文藝春秋)

【マンガを読む】「お父さんは何でも絵に描きます」懐かしの家族の思い出を振り返る…矢部太郎さんが描く「ぼくのお父さん」

ぼくのお父さん

矢部 太郎

新潮社

2021年6月17日 発売

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。

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