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みんな待ってた! 楽天・岡島豪郎、復活劇。それを支えた抱き枕の行方

文春野球コラム ペナントレース2021

 楽天イーグルス1989年生まれである鈴木大地殿、岡島豪郎殿、足立祐一殿、1990年2月生まれではあるが89年世代の島内宏明殿。各々、チームの主力としてここまで良き働き。特に岡島豪郎殿の大復活はチームのリーグ上位進出の大きな要因となっておる。

岡島豪郎 ©文藝春秋

 岡島豪郎殿、1989年9月7日群馬県邑楽郡千代田町に生まれる。中学時代に太田ボーイズで硬式野球を始め、チーム全国8強の実績を残す。関東学園大学付属高等学校時代は下級生時より正捕手を務める。2年夏8強、秋4強、3年春8強と上位の好成績を残したものの、3年夏は3回戦で沼田高校に敗れ、一度も甲子園出場とはならず、白鷗大学へ進学。

 白鷗大学1年春からリーグ戦に出場。2年次は外野手として3年次から捕手として4季連続ベストナインを受賞。3年春に4試合連続を含む5本塁打を放ち最多打点、3年秋首位打者、最高出塁率を獲得。大学リーグ通算96試合、打率.330、108安打、8本塁打、74打点という見事な成績を残す。自慢の強肩強打俊足でリーグ戦を戦い抜き、各球団ドラフトの注目が集まる中、2011年ドラフト会議で楽天イーグルスから4位指名を受ける(同ドラフト会議において島内宏明殿がイーグルスから6位指名、鈴木大地殿がマリーンズから3位指名されている)。

 当時は捕手・嶋殿(現スワローズ)の代わりとなる打てる捕手を獲得し、層を厚くしたいというイーグルスの想いがあった故に獲得に繋がり申した。

 今やチームに欠かせぬ存在となった岡島殿、今季はここまで打率.339、本塁打6、打点23、出塁率.393、得点圏打率.372と助っ人外国人ばりの活躍を見せておる。

岡島豪郎、怪我との闘い。そして復活へ…

 現在、チームの打の中心人物としてクリンナップを担う岡島殿。今日の活躍に至るまで、怪我という難敵を何度も打ち倒して参った。

 2013年右肘、2016年腰、2017年左肩、2018年左肩、2019年左肩、右肘、2020右手親指……かような怪我と突然の不振により戦線離脱を繰り返す中、若手選手たちの台頭が顕著になり、岡島殿の立場を危ぶむ声があった。されど、岡島殿は決して諦める漢ではない。

「己に巡ってきた数少ない好機でしっかりと結果を残し、1軍レギュラーを掴む」その想いで練習に励み、ひたすらバットを振り続けた。齢30を超える中堅選手のひたむきな姿勢が若手選手の見本ともなり、チームの士気向上に繋がる。2013年優勝時の1番・岡島という若武者が幾多の試練を乗り越え、重臣格に相成り申した。

 そしてついに、4月10日に1軍合流。同日指名打者としてスタメン出場を果たすものの無安打。16日ファイターズ戦の第一打席でようやく今季初安打を放つ。その後、コンスタントに安打を放ち、存在感を見せる。

 岡島殿復活の狼煙が上がったと感じたのは4月21日のホークス戦であった。

 6回表3点劣勢の場面、相手先発の和田投手が投じた初球、内角へのストレートを岡島殿は迷わず振りぬいた。打球はぐんぐん伸び、ライトスタンドへ。一球必打の一発を見て「岡島殿、復活したか」そう思ったのはわしだけではないであろう。この1071日ぶりの一発から状態を上げていき、5月はチームトップの月間打率.398を記録。ここ数年、6月に突然の成績不振に陥る事がしばしば見られたが、ここまで状態は良き。イーグルスファンもかつての岡島豪郎殿が帰ってきたと歓喜致しておる。