今年は動物がやたら逃げます。横浜ではニシキヘビ、長野ではオオカミ犬。千葉では「怪鳥」ミナミジサイチョウが捕獲。

 そんななか今度はワニが逃げています。平井卓也デジタル改革相のことです。

平井卓也デジタル担当相 ©文藝春秋

国会中に見ていた「ワニ動画」でブレイク…?

 平井先生といえば昨年、国会の質疑中にワニ動画を見ていたことでブレイク。見ていたタイミングもすごかった。検察庁法改正案をめぐる国会の質疑中。

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 あの法案はSNSでも関心が高かったが平井先生はよほど興味が無かったのだろう、午前9時から始まった委員会の9時9分からワニ動画を見始めたという(毎日新聞2020年5月14日)。

 タブレットで巨大なワニが歩いたり、大蛇にかみつかれたりする動画を約5分間見続けた。

 記者には「(質疑を)聞いてたからね。たまたま(ワニ動画が)出ちゃった」と答えた平井先生。

 ワニ動画って、たまたま出るものなのか。

 平井先生はその年の秋にめでたくデジタル改革担当相に就任された。『100日後に死ぬワニ』という漫画があったが、ワニ動画を見ていたら100日後に大臣になったのである(数字は適当)。

 平井大臣はそのあとBS放送でワニ動画を見た理由を尋ねられ、「ワニが好きで」などと釈明した(毎日新聞WEB2020年9月23日)。

 やっぱり好きだったんじゃないか。ワニ動画ってたまたま出るものではなかったのである。

五輪向けアプリの開発会社に「脅しておいて」

 そのワニ大臣、先週末にネット上でまた爆発した。この記事だ。

『「徹底的に干す」「脅しておいて」平井大臣、幹部に指示』(朝日新聞デジタル6月11日)

《東京オリンピック(五輪)・パラリンピック向けに国が開発したアプリ(オリパラアプリ)の事業費削減をめぐり、平井卓也デジタル改革相が今年4月の内閣官房IT総合戦略室の会議で同室幹部らに請負先の企業を「脅しておいた方がよい」「徹底的に干す」などと、指示していたことがわかった。》

「NECには(五輪後も)死んでも発注しない」「今回の五輪でぐちぐち言ったら完全に干す」「どこか象徴的に干すところをつくらないとなめられる」。さらに幹部職員にNECを「脅しておいて」と求めていた。

 この記事の何が面白いかって、動画が添付されていて平井大臣の「音声」も堪能できること。デジタル改革相にふさわしい構成だ。