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 さらにおっと思ったのは記事後半の小見出し。

『減額は国民に利益 橋下氏「ハッパかけすぎ」』

 何のことかと思ったら橋下徹氏のテレビでの発言を記事にしていたのだ。

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《「職員に言っている話。直接、NECに言ったら大問題」とした上で、「減額したこと自体は国民にとって利益」と指摘した。

 続けて「必要のないアプリについて減額をやる時には気合を入れてやっていけ、と。ハッパをかけたのだろうが、ハッパかけすぎですかね」とコメントした。》

©文藝春秋

四国新聞もさすがに援護材料に窮していた…?

 わざわざテレビでのコメントを引っ張ってこなくちゃいけないほど擁護材料に困っていたとみるのは意地悪すぎだろうか。

 平井大臣も四国新聞も「税金の無駄をなくすための発言」というが、そもそもアプリ開発の委託費73億円は高すぎだと以前から問題視されてきた。

『出来レース? 73億円「五輪アプリ」の入札期限がわずか4日半、応札1者のみ 公正性に疑問の声』(東京新聞Web版4月13日)

『海外客断念なのに…73億円「五輪アプリ」の見直し迷走中』(同)

 今回慌てて減額になったが、当初から不透明でプロセスは拙速であった。そして「拙速」はアプリだけでなくデジタル改革法をめぐる報道でもよく見られたキーワードである。

《秋までにある解散総選挙と自民党総裁選をにらみ、実績を残したい菅政権は突貫工事で法案を作った。(略)政権発足からわずか5カ月で閣議決定。国会審議では要綱などに記載ミスが大量に見つかり、野党から「立法府の軽視」と批判を受けた。》

 この記者解説のタイトルは『拙速 デジタル改革法』である(朝日新聞5月17日)。

ワニの“飼い主”菅義偉首相 ©JMPA

ワニ大臣の「恐怖」は飼い主譲り…?

 今回何が怖いって、言うことをきかないと「どこか象徴的に干すところをつくらないとなめられる」とデジタル改革相が言っていることだ。個人情報、マイナンバーを扱うところのトップが。しかも議論は拙速で評判が悪いという自らの責任は棚に上げて脅しにかかる御方なのである。

 平井大臣は言葉がラフだったと逃げているが、ワニ大臣は危険すぎないか。こういうのって「飼い主」の責任ではないだろうか。

 すると菅首相が言ったという言葉が別のニュースで出てきた。

『強引にやれば外為で捕まえられるんだろ?』

 東芝と経済産業省が一体となって海外株主に圧力をかけたとする報告書が公表された件である。

 ああ、飼い主がこれだとワニもそうなるよね。