先月、タレントの熊田曜子の夫が妻に対する暴力行為で逮捕された。彼女は顔を平手打ちされ、体を蹴られるなどの暴行を受けたという。

 現在、離婚に向けて話し合いを進めているというが、熊田の不倫疑惑が浮上し、夫がDV報道に反論するなど“泥沼化”は避けられない状況になっている。

 熊田夫妻の今後はさておき、DV事件が発生すると同時に話題になるのが、渦中のふたりが送っていた生活だ。とくに熊田は以前からワイドショーやInstagramのストーリーで夫の“モラハラぶり”を匂わせていたため、ついにそのときが来たか……と感じた人も多いかもしれない。

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仕事を勝手に辞める、給料の金額を教えない

 NPO法人女性・人権支援センター ステップの代表、栗原加代美さんは、熊田が語っている夫の行動について「典型的なDV加害者の特徴」と指摘する。たとえば、熊田に相談せずに仕事を辞めていたことや、給料の金額を教えないのは“経済的DV”に該当するという。

「仕事を辞めたことを話さず、すべてひとりで決めてしまうのは“相手を尊重しない”というDV行為に当てはまります。相手と対等な関係を築いているなら、今後の生活に関わる内容は相談するはず。自分がボスなのでパートナーに相談する必要がないと考えていて、妻がそれに従わないと怒鳴ったり叩いたりします」

 熊田家のケースはわからないが「自分の給与は明かさず、妻には家計簿をつけさせる加害者も多い」と、栗原さん。

「加害者は家計簿を見て『無駄遣いが多い』とか『お前のやり方ではダメ』など、お金のやりくりについて妻を言葉で詰めつづけます。ちなみに言葉のDVは妻が夫に対しておこなう場合も多いのです。ある加害女性は、夜中から朝方まで5時間以上、夫に説教し続けていたケースもありました。暴力だけでなく、経済的、精神的など、複数のDVを行う加害者は多いですね」

「子どものことばっかり」と怒るのも、DVの典型

 再び熊田家を例に挙げるが、熊田がタレントの鈴木紗理奈のYouTubeチャンネル「さりな撮り」に出演した際に触れたエピソードも、今回の事件で注目を集めている。

YouTubeチャンネル「さりな撮り_SARINADORI」より

 

 なんでも、熊田が夜泣きしている子どもをあやしている横で寝ている夫にイラッとして「なんで何もしてくれないの?」と問い詰めると、彼は「◯◯ちゃんばっかり!」と言いながら壁を蹴ったという。熊田は事もなげに話しているが、これも見逃せないDVの特徴、と栗原さん。

「DV加害者には特権意識があるので、パートナーは自分の身辺のケアを最優先にすべきだと考えています。妻が子どもにつきっきりで『お前は子どもばかり見て、俺のケアは何もしてくれない』という怒りが湧く。実際に、子どもが泣いていると『お前のしつけがよくない』と妻を怒鳴って子どもをベッドに投げつける、という虐待の事例もありました。子どもが泣くから妻が俺を見てくれない、という八つ当たりですね」

 もちろん熊田家の深い事情はわからないが、自身の家庭を顧みて心当たりがある場合は要注意だ。