二者面談で見えてくる、親と子の本音
このように二者面談でお父さんお母さんの本当の気持ちが聞けたら、「それをお子さんに伝えていいですか?」と聞いて、本人に伝えます。
すると子どものほうからも、自分が心配をかけていること、塾に行っているのに成績が上がらなくてお金をムダにしているのが申し訳ないと思っていることなど、いろいろ出てきます。それをまた親に伝えるんです。
あるとき、ヤンチャで、家だといつも「クソババア」しか言わないとお母さんが嘆いていた子がいたのですが、同じように二者面談で話すと、その子はすごくお母さんのことを思っていて、自分が迷惑をかけていることも自覚していました。変わらなきゃいけないというのも、本音ではわかっていたんです。
私はまたその気持ちをお母さんに伝えて、本人にも、「お母さん、こんなにお前のこと思ってるんだぞ。自分のこと見てないと思ってるだろう、超見てるから!」と、お母さんの気持ちを伝えました。
ただ、ドラマみたいに何か衝撃的なことが起こって反抗期の子どもがガラッと変わるみたいなエピソード、ほぼ起きないので、期待しないでください。ただ、そうやってお互いの気持ちがわかると親子関係が少しずつよくなることがあります。
その子も2、3カ月かかりましたが、だんだん食卓に出てきて一緒にご飯を食べるようになり、たまに学校であったことも話すようになったと、あとでお母さんに教えてもらいました。
居場所をなくすことがないように
人は、未知のことや未経験なことに対する恐怖心が大きいので、特に一番上の子の受験などでは、親もプレッシャーで、子どもに対する言葉がきつくなったりすることがあります。今はコロナ禍の影響もあって、より家庭内の緊張が高まっているのではないかと、とても心配しています。
なんだかんだ、子どもたちの最後の拠り所は保護者の皆様です。ぶつかり合うこともあるでしょうが、「子どものくせに」と見放すような態度は出さず、「まだ子どもなんだから」と温かい目で寄り添い、かれらが居場所をなくすことがないように見守ってあげてください。
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