文春オンライン

午後ティー、ジャワティ、クラフトボスTEA、紅茶花伝…伸び続ける「無糖紅茶」市場をリードするのはどこ?

2021/06/30
note

無糖の紅茶に向けられる“物足りなく満足できない”という不満をどう解決するのか

 伊藤園は、2021年4月に「TEAs’ TEA NEW AUTHENTIC 生レモンティー 無糖」を発売し、早速40~50代から高い評価を得ている。伊藤園は、無糖の紅茶は“物足りなく満足できない”という声がユーザーの不満点として出ていることに着目し、無糖紅茶の中でも嗜好のバリエーションを広げることに取り組んだ。そこで、「レモン」の香りに着目して、香料・酸味料・人工甘味料不使用の無糖レモンティーの開発に至った。

 伊藤園の担当者は新製法について、次のように語る。「生のレモンの香りと紅茶を一緒に抽出する“生レモン抽出製法”により、抽出工程で香り成分がより詰まっている“レモンの皮”から風味をとることで、無添加で爽やかなレモンの香りを実現しました」。

 そのほか、ポッカサッポロフード&ビバレッジの「かごしま知覧紅茶 無糖」は、“無糖なのにほのかに甘い”ことがセールスポイント。鹿児島県知覧産紅茶100%を使用。九州地区を中心に人気で、2020年の販売数量は前年比17%増と好調だ。UCC上島珈琲の「紅茶の時間 ストレートティー 無糖」は、930mlペットボトルでたっぷり飲めることが特徴で、コーヒーで培ったドリップ技術で紅茶の旨みをじっくり抽出している。30~50代女性から支持されているという。

ADVERTISEMENT

健康への注目で加速は続く

(筆者撮影)

 無糖紅茶飲料は、ミルクティーやフルーツティーなど他の紅茶カテゴリーと飲まれるシーンやユーザーがあまりかぶらないため、カニバリ(食い合い)が少ないことも各社にとって魅力的だ。無糖紅茶飲料は、素材の選定や技術力の向上により、茶葉のおいしさをそのまま楽しめる製品が増えてきた。また、従来からのイメージにある食事の際に飲む飲料から、コーヒーなどのようなリフレッシュ時に飲むというニーズが高まったことも選ばれている要因だ。

 清涼飲料市場では近年、無糖炭酸水の人気が高まっているが、その理由は刺激感と健康性の高さ。無糖紅茶飲料は同様に健康性の高さを武器とし、そこにさらに嗜好性の高さが加わることで、若年層や女性からの支持も高まっているという。この夏、そして秋に向けてさらに成長するカテゴリーになりそうだ。

午後ティー、ジャワティ、クラフトボスTEA、紅茶花伝…伸び続ける「無糖紅茶」市場をリードするのはどこ?

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー