東京五輪に挑む野球の日本代表、通称“侍ジャパン”に内定した選手24人が発表された。
サプライズは広島のルーキー・栗林良吏(24)の選出とアメリカ帰りの田中将大(32・楽天)が加わったことくらいで、おおよそのメンバーは過去の代表選手を踏襲した形だ。
しかし、気になったのが先発陣の顔ぶれだ。
今シーズンの調子が全く反映されておらず、怪我などでパフォーマンスを落としている選手が多く選ばれている。稲葉監督はなんのための視察をしてきたのかと疑問を抱かざるをえない。
世界の野球が盛んな12の国と地域が集まった2019年の「プレミア12」で初優勝を遂げて涙を流した稲葉監督(48)の内心を察するに、これまで代表チームに貢献してくれた面々を今季の調子を理由に外したくなかったのだろう。
その気持ちは理解できるが、代表チームを指揮する人物には、その熱い想いとともに、気にかけなければいけない要素がある。
それは、オリンピックが終わった後に選手たちを健康な状態で所属チームに返すことだ。
オリンピックで「1戦も負けられないトーナメント」を戦うとなれば、無理を押してでも勝利のために登板するケースも考えられる。シーズン真っ最中にそんな無理をすれば、残りのシーズンや下手をすれば選手たちの野球人生に悪影響を残す可能性さえある。