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“老後資金2000万円不足”問題も…「70歳まで収入を得られるようにしておく」ために40代がやるべき3つのこと

『コロナ後を生きる逆転戦略 縮小ニッポンで勝つための30カ条』より#2

2021/06/29

source : 文春新書

genre : ライフ, 人生相談, ライフスタイル

note

ダブルインカムでタワマン購入は危険

 夫婦共働きでダブルインカムであるがゆえに、少し背伸びしてタワーマンションなどの 高額物件を購入するケースもあるだろう。近年は夫婦が共同で住宅ローンを組むというケ ースも多い。たとえ世帯年収1500万円であったとしても、これは極めて危うい。公務員同士の夫婦といった特殊なケースでない限り、終身雇用と年功序列の賃金上昇カーブがなくなる時代に、高額年収を維持できる保証などないからだ。「安心」のためにマイホームを買ったつもりが、将来の大きなリスクを抱えることになってしまったら、本末転倒でしかない。実際に、コロナ禍においては夫婦のどちらかの給与が大きく減り、返済猶予などの救済措置を受けた人も相次いだ。

 第一、あなたが苦労して購入したマイホームに、子どもたちは成人後も住み続けるのだろうか。マイホームを買おうとしているあなた自身、実家に住むという選択肢をとらなかったのではないだろうか。

©iStock.com

 これに関しては、意外な落とし穴がある。あまり取り上げられないが、老後になってからの住宅修繕費用だ。 3世代同居が当たり前だった時代は、引退後は子ども夫婦がこうした費用は捻出していた。しかしながら、高齢者の独り暮らしが増え、寿命も延びたいま、戸建て住宅の屋根の破損やマンションの大規模修繕といった思わぬ出費が70代、80代になって求められる可能性が大きくなった。こうした費用は住宅ローンとは別に若いうちから準備しておかなければならない。支払い能力の限界まで住宅ローンを組んでしまう危うさはここにもある。

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 どうしてもマイホームを購入したいのであれば、中古の一戸建てを検討したほうがいい。これから首都圏の立地が良い地域でも、条件の良い中古物件が出てくるはずだ。中古物件であれば、定年前にローンを完済することも十分に可能だろう。

“老後資金2000万円不足”問題も…「70歳まで収入を得られるようにしておく」ために40代がやるべき3つのこと

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