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“見た目”の党総書記には誰が選出されるのか

<党内序列3位 呉娜同志(29)>

画像出典:『毎週双星』

 上海虹橋国際空港の保安検査係のお姉さん。彼女が指揮する部隊は年間延べ165万人の旅客の荷物をチェックし、1320件の違法物品を押収したとのこと(ともに2014年)。今回の党大会の上海代表のなかでは最年少だった。好きな本は東野圭吾の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』という一面も。

<党内序列2位 姚馳同志(25歳前後?)>

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画像出典:『CCTV新聞』

 チベット自治区山南市ネドン区の検問所に勤務するチベット族のお巡りさん。配属直後の時期にレポートが書けず泣いちゃった、党大会のおかげで人生ではじめて大都会北京にやってきた等々、いたいけなエピソードには事欠かない。北京空港で記者の囲み取材を受けて「この5年間で検問所を通る人民の服装がオシャレになりました。生活水準が確かに向上している証拠です!」と元気にコメント。

<党内序列1位 魏秋月(29)>

画像出典:『新浪体育』

 バレーボール中国代表の元キャプテンでリオ五輪の金メダリスト。正直、彼女については女子アナ&芸能人枠に入れるか悩んだのだが、他のスポーツ選手出身党員があまり上位にいなかったので許可。党内美人序列でも見事に金メダルを獲得して党総書記に就任である。なお、引退前夜の2016年末に長年の恋人だったコーチとゴールイン。

ちらほらと見える習近平人事

 ちなみに上記の人たちのうち、APECで習近平夫妻を案内した韓笑と、浙江省(習近平の元赴任地)の親体制美人枠論客である徐嵐は、おそらく習政権だからこそ代表に選ばれた人だと見ていいだろう。ほか、習夫人の彭麗媛の弟子筋に当たる軍内オペラ歌手・雷佳も代表になっている。

 いっぽう、習近平が政権第1期目で軍内制服組トップの徐才厚・郭伯雄らを失脚させるなど粛清を進めた影響なのか、今回の党大会では軍や武装警察出身の代表303人のうち90%が新任となったらしい。他方、毛沢東の孫の毛新宇をはじめとした既得権益層の多くが代表を外されることになった。

 党大会といえば最高幹部である常務委員のメンバー選出や党規約の改正内容ばかりに注目が集まりがちだが、なかなかどうして、見た目的にも政治的にも、ヒラの代表たちの顔ぶれも調べはじめると実に面白いのである。

 今回、リアル面の共産党次期指導部については、政権第2期を迎えて習近平の存在感がより強まり、残りのメンバーは影が薄くなると見られている。しかし今回選出された見た目「チャイナ・セブン」に関しては、一人だけが目立つことなく集団指導体制を堅持し、党と国家と人民を輝かしい方向に導くよう期待したい次第だ。

 なお、私の推しメンバーは序列2位の姚馳さんである。